人工知能(AI)とAIでないものを区別するのは難しかったり、大変だったりすることがある。時として専門家ですら間違えることがあるほどだ。そこで、MITテクノロジーレビューのAI担当上級編集者のカーレン・ハオは、AIを説明するためのフローチャートを作成した。この記事は、ハオの記事に基づいて作成したゲーム的な内容のポッドキャスト番組を、テキストに書き起こしたものだ。ポッドキャスト(英語)は以下で再生できる。
この記事の執筆者はカーレン・ハオ。音声版の脚本・制作はジェニファー・ストロングとエマ・シリケンズ。声の出演はエマ・シリケンズのほか、アートチームのエリック・モンジョンとカイル・トーマス・ヘミングウェイ。編集はマイケル・レイリーとナイル・ファースが担当した。
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ジェニファー:皆さん、こんにちは。「我ら機械を信ず(In Machines We Trust)」のホスト役を務めるジェニファー・ストロングです。
何がAIで、何がそうでないかを定義するのは少々難しいものです。時には専門家ですら間違えることがあります。そこで、MITテクノロジーレビューのAI担当上級編集者であるカーレン・ハオが、解説のためのフローチャートを作成しました。この番組は、そのフローチャートに基づいて制作されたものです。あまり難しい内容ではなく、楽しい構成になっています。皆さんのお役に立ちますよう。
エマ・シリケンズ:リスナーの皆さん、「これがAIだ(This is AI)」へようこそ。
これから番組の参加者が、AIとAIでないものを区別するために質問を投げかけていきます。今回は、回答を助けてくれる音声アシスタントとして「アレクサ(Alexa)」を呼んでいますよ。
アレクサ:こんにちは。
エマ・シリケンズ:アレクサ、こんにちは。
まず、同じ前提に立つための説明を少々。AIとは、広い意味において、学習し、推論し、自律的に行動できる機械のことです。新たな状況に遭遇した場合、人間や動物と同じように自分で判断できます。
この後の質問で、AIであると正しく判定された時には「ピンポーン」というベルの音が、間違った時には「ブブー」とブザーの音が鳴ります。
それでは、皆さんの知識を試していきましょう。まずは最初の方、お願いします!
エリック・モンジョン:「それ」は見ることができますか?
アレクサ:はい。
エリック・モンジョン:見たものを認識できますか?
アレクサ:いいえ。
(♪ブブー)
エマ・シリケンズ:それはただのカメラですね。では、見たものを本当に識別できるとしたらどうでしょうか?
(♪ピンポーン)
エマ・シリケンズ:正解。それはコンピュータービジョンと画像処理です。次の方!
カイル・トーマス・ヘミングウェイ:「それ」は聞くことができますか?
アレクサ:はい。
カイル・トーマス・ヘミングウェイ:聞いた内容に対して、有益かつ合理的に反応しますか?
アレクサ:はい。
(♪ピンポーン)
エマ・シリケンズ:これは自然言語処理(NLP)ですね。
自然言語処理をするAIの目標は、コンピューターが人間の言語を有益な方法で理解するのを助けることです。
しかし、聞いた内容に対して有益かつ合理的に反応できないとしたらどうでしょうか? それでもまだAIと言えるでしょうか?
カイル・トーマス・ヘミングウェイ:文字に起こす能力があればAIと言えるのではないですか。
(♪ピンポーン)
エマ・シリケンズ:その通り! それもAIです。音声認識ですね。自然言語処理と似た技術ですが、文字ではなく音声を扱います。それでは新しい質問に移りましょう! 最初の方。
エリック・モンジョン:「それ」は読むことができますか?
アレクサ:はい。
エリック・モンジョン:自分が入力したものを読み上げていますか?
アレクサ:いいえ。
エリック・モンジョン:文章を読んでいますか?
アレクサ:はい。
エリック・モンジョン:文のパターンを解析していますか?
アレクサ:はい。
(♪ピンポーン)
エマ・シリケンズ:これも自然言語処理です。お見事!
カイル・トーマス・ヘミングウェイ:同じ質問をします。「それ」は読むことができますか?
アレクサ:はい。
カイル・トーマス・ヘミングウェイ:自分で入力したものを読み上げているのですか?
アレクサ:はい。
カイル・トーマス・ヘミングウェイ:有益かつ合理的な方法で反応していますか?
アレクサ:はい。
(♪ピンポーン)
エマ・シリケンズ:これも自然言語処理です。それでは新しい質問を。先ほどの方。
エリック・モンジョン:「それ」は論理的に考えることができますか?
アレクサ:はい。
エリック・モンジョン:大量のデータからパターンを探しているのですか?
アレクサ:はい。
エリック・モンジョン:そのパターンを使って判断しているのですか?
エマ・シリケンズ:そうでないなら、単なる計算になってしまうように思います。
エリック・モンジョン:でも、パターンを使って判断しているとしたら?
アレクサ:はい。
(♪ピンポーン)
エマ・シリケンズ:その場合は機械学習ということになりますね。機械が経験を通して学習しているのです。いいでしょう。それでは最後の質問です!
カイル・トーマス・ヘミングウェイ:「それ」は動くことができますか?
アレクサ:はい。
(♪ピンポーン)
カイル・トーマス・ヘミングウェイ:助けを借りずに、自力で動けるのですか?
アレクサ:はい。
(♪ピンポーン)
カイル・トーマス・ヘミングウェイ:見たり聞いたりしたものに基づいて動きますか?
アレクサ:はい。
(♪ピンポーン)
カイル・トーマス・ヘミングウェイ:あらかじめプログラムされた内容に従って動いていないと断言できますか?
アレクサ:え~と、分かりません。
エマ・シリケンズ:とても面白いですね。でも、もしそうなら、単なるボットです。
(♪ブブー)
カイル・トーマス・ヘミングウェイ:分かりました。もう一度いきます。事前にプログラムされた内容に従って動いていますか?
アレクサ:いいえ。
(♪ピンポーン)
エマ・シリケンズ:これはスマートロボットですね。判断の一部にAIを利用しています。
すばらしいですね。ゲームは以上です。ありがとうございました! またお会いしましょう。
◆
番組に出演してくれたプロデューサーのエマ・シリケンズ、エリック・モンジョン、カイル・トーマス・ヘミングウェイに感謝します。編集はマイケル・レイリーとナイル・ファースが担当しました。
聴いてくださり、ありがとうございました。ジェニファー・ストロングでした。
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