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Wednesday, June 1, 2022

【今日の一首】大粒のなにに打たれよう雨がいいウェルチはベタベタになるからイヤだ|僕の不幸を短歌にしてみました(エッセイつき)|岡本雄矢 - 幻冬舎plus

apaituberita.blogspot.com

たったの(だいたい)31文字で、世界はこんなにも情けなく、こんなにもドラマチックに…!「歌人芸人」によるフリースタイルな短歌とエッセイが、書籍化。評判も上々です!

タイトルは全員がサラダバーに行ってる時に全部のカバン見てる役割。ぜひ、今日の #不幸短歌 もお楽しみください。

*   *   *

大粒のなにに打たれよう雨がいいウェルチはベタベタになるからイヤだ

 

僕には天気予報を見る習慣がありません。

家を出る時に雨が降っていなければ、基本的には傘を持ちません。

にもかかわらず帰りに雨が降っていたりすると、強い雨を前に立ち尽くして、僕は思います。

天気予報を見てくればよかった。

こんなことを何十回何百回と繰り返しています。

その日も晴天でした。

僕はいつもと変わらず自転車に乗り、家を出ました。

夜になり、帰る時間になります。

外はどしゃ降りです。

地下鉄で帰ろうにも終電は終わっています。

始発まで漫画喫茶にでも泊まろうか?

いや、お金がもったいない。

傘を買おうか?

自転車では傘がさせないし、なによりお金がもったいない。

雨がやむかもしれないから、少し待ってみようか?

そんなことを考えている間にも、雨は更に強くなっていき、やむ気配はありません。

家まで自転車で15分。

15分我慢すればいいんだ。

行こう。

そう思った僕は、自転車に乗りペダルを漕ぎ出します。

(写真:iStock.com/rustamank)

見ていた雨は、体感するとより強く、雨が当たるのが痛いとすら感じます。

なにかポジティブなことを考えないと、心がやられてしまう。

そう思った僕はこう思います。

水だからいいじゃないか!

これがジュースとかだったらベッタベタになってるよ。

だから、水でよかったんだよ!

ラッキーラッキー!

僕は、そう自分の頭を誤魔化し、ビショビショになりながら、なんとか帰宅して、急いでシャワーに駆け込みます。

シャワーから上がって居間に戻った僕は、あることに気が付きます。

あれ? 雨音しなくない? まさか雨やんだ?

更なる絶望に落とされたくない僕は、カーテンを開けることはしませんでした。

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