本連載では、無料の高機能3Dモデリングツール「Blender」の使い方や関連情報を幅広くお伝えします。
「Blender」をはじめとする3DCGの世界では、なじみのない用語や日常に使っている意味とは違う用語が頻出するため、戸惑う人も多いかと思います。そこで今回は、わかりづらい用語を取り上げて解説します。
【記事目次】
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面
メッシュを構成する主な要素の1つ。「Blender」では「三角面」「四角面」「Nゴン(任意の頂点数の面)」が利用可能であるが、どれも一長一短あり、レンダリング時には三角面に自動的に分割されて処理される。
「UVマップ」や「マテリアル」、「フラット/スムーズシェーディング」は面単位で設定される。
辺
面を構成する要素の1つ。「Blender」では「シーム」や「シャープ」「クリース」などのタグ付けや設定を行い、対応する機能で処理をコントロールすることも可能。
頂点
面や辺を構成する要素。「頂点グループ」によるグルーピングと、個々の頂点への「ウェイト」により、対応する機能の処理(主に変形)をコントロールできる。
また「カラー属性」(「Blender」内の表現。一般的には「頂点カラー」)で色づけも可能で、この場合は各頂点間を補間して色づけされる。
法線(ノーマル)
3DCGでは多くの場合、面の表を示すベクトルを指す。メッシュモデルは中空であるため、形状の外と内の区別(面の表方向が外)を付けるのに用いられる他、疑似的に凹凸を付ける(バンプマッピング)のにも利用される。
上記の理由で、連続する面での法線の方向(面の向き)はなるべく揃える必要がある。「Blender」では[3Dビューポート]のヘッダー右側の「オーバーレイ設定」から法線を表示可能。
面コーナー
名前通り、面の角のこと。頂点では問題が生じる「隣り合う面の境界の処理」を解決できる。
通常、構造的につながっている、隣り合う複数の面では「頂点」や「辺」が共有される。しかしこの場合、各面ごとに違う設定が必要な時に問題が発生する。
例えば頂点毎に色付けする「カラー属性」で2つの隣り合う面を塗り分ける場合、頂点が共有されているため、境界部分の頂点にはどちらかの面の色しか設定できず、塗り分けができない。
このような場合、面ごとに「面コーナー」を導入することで、境界部分でも各面の面コーナーに色を格納すればうまく塗り分けができるようになる。
余談だが、比較的最近「Blender」に追加された単語であり、UIに表示される訳語は筆者が必要に応じて命名した物であるため、他の3DCGツールのユーザーとの間では通じない可能性があるので注意されたい。
モディファイアー
「Blender」では、元の形状データを壊さず、パラメーターなどで変形を行う機能のこと。「モディファイアースタック」と呼ばれるリスト内で上から順番に処理を行い、下のモディファイアーは上の処理結果を元にさらに変形を行う。「適用」で元の形状データに変形後の形状を反映することも可能。
サブディビジョンサーフェス
形状データを一定の法則で「レベル」の数だけ繰り返し細分化を行い、曲面のある形状を表現する機能。「Catmull-Clark」アルゴリズムを利用した処理を指すことが多い(以降も同様)。少ない形状データで曲面を表現できるため、編集・管理の手間を軽減するのに使用される。
「Blender」では「モディファイアー」の1つとして利用でき、Pixar Animation Studio社の「OpenSubdiv」の使用により、GPUでの高速処理が可能。
クリース
直訳すると「折り目」。前述のサブディビジョンサーフェスでは、辺が長くなるにつれ、曲面が丸みを帯び、実際の形状から離れた場所に生成される。クリースを設定すると、その部分が元の形状に近づくようになり、鋭くなる。「辺」と「頂点」に設定可能。
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