中国は今、独自に宇宙ステーションの建設を進めています。7月下旬には宇宙実験施設「問天」を打ち上げ、完成は目前と見られています。一方、ロシアも同時期に国際宇宙ステーション(ISS)からの将来的な離脱を表明し、「ロシアの宇宙ステーション建設を優先する」と述べました。
宇宙ステーションとは、そんなに自由に造れるものなのでしょうか? 宇宙の利権をめぐって争いは起きないのでしょうか? JAXA(宇宙航空研究開発機構)法務・コンプライアンス課の菊地耕一さんに、宇宙空間でのルールについて聞きました。
――宇宙空間にはどんなルールがあるのですか?
宇宙条約、宇宙物体登録条約など法的拘束力のあるものに加え、それらを補足する宣言や原則、ガイドラインなど、宇宙活動には様々なルールがあります。国際ルールのほか、国ごとに宇宙活動に関する法律もあります。
その中でも、1967年に発効した宇宙条約は「宇宙の憲法」とされ、特に重要なものです。宇宙条約では、①どの国も宇宙活動は自由にできる、②それを保証するためにどの国も宇宙空間や天体を領有することはできない、という大原則が明記されています。宇宙条約は現在112カ国が批准しています。
「そもそも宇宙活動ってなに?」という話ですが、宇宙空間や天体における人や物による探査や利用などの活動を指します。ただし、宇宙空間の国際法上の定義はありません。一般的には地上から高度100キロ以上の空間が宇宙と言われます。
高度100キロ以上の場所は空気は希薄ですが、無重力なわけではなく、ここにただ人や物を運んでも、それだけではすぐに落下してしまいます。宇宙空間に居続けるには、高度100キロであれば、地表と水平方向に秒速約8キロ(東京―大阪が1分以内で行ける速さ)で飛行する必要があります。これにより、地球の重力と遠心力が釣り合い、地球に落ちることなく周回し続けることができるのです。
宇宙にも住所?
――宇宙はだれのものでもな…
からの記事と詳細 ( 宇宙ステーションはどの国でも自由に造れる? 高まる「軍事的関心」 - 朝日新聞デジタル )
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