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Wednesday, March 11, 2020

デマ感染も防ぐ米行政情報 知識共有「偏見抑えよう」 - 日本経済新聞

NIKKEI MJ

新型コロナウイルスの感染が広まり、関連ニュースが絶え間なくアップデートされている。人々が物資の買い置きに走り出すにつれ、しっかりとした情報が欲しいとオンラインを探し回った。

キング郡政府の新型コロナウイルスに関するウェブサイト。偏見や差別を防ぐ情報を発信する

キング郡政府の新型コロナウイルスに関するウェブサイト。偏見や差別を防ぐ情報を発信する

感心したのは、西海岸ワシントン州のシアトルおよびキング郡政府のウェブサイトである。同郡は、発病者や死者が最も早く報告される米国のホットスポットになっている。アマゾンやマイクロソフトが本社を構える地域だ。

郡(カウンティ)は州内の行政区分で、面積は広いものの日本で言えば市レベルに当たる。それでも多面的に対応している。新型肺炎の特別サイトを設け、刻々と状況を更新。例えば3月1日現在で患者が14人おり、市は患者隔離のためにモーテルを買い上げ、さらに市所有の空き地に仮住宅を建設する計画を示している。

新型肺炎の解説や伝染方法、症状、予防方法を記したチラシはダウンロードが可能。中国語、韓国語、スペイン語、クメール語、ソマリ語、アラビア語など10カ国語で記し、多様な住民の間で基本情報を共有しようとする。

一般市民や学校、企業、旅行者、医療関係者などに分けて、今できることや広まった際の対処方法を整理して掲載しているのもわかりやすい。州の保健局や連邦レベルの米疾病対策センター(CDC)の情報も統合している。

サイトではさらに「偏見を抑えよう」と早速呼びかけている。「ウイルスはえり好みをしません。私たちもそうあるべきでしょう」というコピーでポスターを作り、クリックすると情報やツールが出てくる。「デマが広まると恐怖心や敵意をあおり、人々を傷つけ市民の健康状態が守れなくなります。ここに挙げた資料を利用して、偏見と戦いましょう」と訴える。

掲載しているのは人権保護の担当機関のリストや州法による患者の権利など。「ソーシャル・メディア・ツールキット」と称して、「#VirusesDon'tDiscriminate」「#StopStigma」といったハッシュタグも並べる。

たきぐち・のりこ 上智大外国語(ドイツ語)卒。雑誌社、米スタンフォード大客員研究員を経てフリージャーナリストに。米シリコンバレー在住。大阪府出身。

たきぐち・のりこ 上智大外国語(ドイツ語)卒。雑誌社、米スタンフォード大客員研究員を経てフリージャーナリストに。米シリコンバレー在住。大阪府出身。

3コマ漫画では「休校の際には誰が子供の面倒を見るか話し合っておきましょう」「在宅勤務が可能か調べましょう」「伝染が広まった際には近所の高齢者を助けましょう」などと穏やかに伝える。同郡で最初の患者が出たのが2月末なので、以前から準備していたと思われる。

CDCは米国で最も信頼性の高い情報が入手できるとされている。ただ、CDCの公式発表は全てホワイトハウスの許可を得る必要があると、トランプ政権が決めたのは残念だ。

それでも、CDCのサイトには科学的根拠に基づいた役に立つ情報が多く掲載されている。医療関係者向けの情報が同じサイトで見られ、例えば「限りあるN95規格マスクをどう最大活用するか」という記事がある。医療機関で誰が優先して使うべきかや、再利用しなければならない場合の方法とリスクを科学的に説明している。現実的な視点がうかがえるのだ。

情報に溺れるのはたやすいが、まともに情報を発信している組織があるのは大きな助けとなる。

[日経MJ2020年3月9日付]

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