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Tuesday, February 15, 2022

勝算はいかほどか!? 日本市場に再進出するヒョンデの成功戦略を読み解く - webCG

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ターゲットは妙な偏見を持たない世代

日本における新生ヒョンデは、従来型のディーラーをもたないオンライン販売となることも特徴だ。クルマまでオンライン販売というと、筆者のようなクルマ慣れした中高年は不安になるが、自動車ビジネス特有のねちっこい人間関係を嫌う人は確実に存在する。

気になるアフターサービスについては、試乗や対面相談なども可能なショールーム機能を備えた「カスタマーエクスペリエンスセンター」を、この2022年夏にまず神奈川県横浜市に開業。全国主要地域の工場と提携して整備拠点を拡充しつつ、エクスペリエンスセンターも増やしていきたいとする。整備工場については実車導入時点で、少なくとも10拠点を確保する予定だそうだ。

実際には販売台数が増加すれば、それに合わせてサービス体制も少しずつ拡充していくつもりだろうから、現時点で大風呂敷を広げられない事情は理解できる。とはいえ、国産ディーラーや大手輸入車ディーラーと提携するなど、もう少し将来的な安心感がもてる情報があればよかったようには思う。

今度のヒョンデは成功するだろうか。筆者を含む40~50代以上の中高年層には、正直いって「韓国車は日本車に遅れている」という先入観をもつ人が多い。ヒュンダイと呼ばれていた時代のヒョンデ車は、たしかに“ひと昔前の日本車感”がプンプンだった。

しかし、現在のヒョンデは世界5位の販売台数(2020年実績)を誇る、世界屈指の巨大自動車メーカーである。日本のホンダよりはるかに大きい。さらに10年以上前からデザイナーやエンジニアを大量にヘッドハンティングしており、クルマの内容でも日欧車にはっきり見劣りするところはないし、デザインについては世界的にヒョンデ最大のセールスポイントとなりつつある。

ヒョンデが日本市場に期待しているのは、数年から10年後にクルマ購買層の中心になる若者だろう。K-POPや韓国食文化は若者に大人気だし、現在の30代以下はデジタル家電にも「もとは日本のお家芸だった」といった妙な固定観念をもっていないから、韓国車にも偏見を抱かないはずだ。今の若者にはオンライン販売も好都合だろう。そもそも内燃機関への郷愁もないから「静かで臭いもなく、ガソリンスタンドにもいかなくていいBEVが“使える”なら、積極的にそっちがいい」と心から思っている。そんなヒョンデが国産車より割安なら買わない理由はない……かもしれない。

旧世代クルマオタク代表の筆者がいうのもなんだが、ヒョンデはそんな今どきの若者マインドにはまる可能性はある。国産メーカーのみなさんも、ほかでもないお膝元の日本で、ヒョンデに足元をすくわれることがなきようお願いしたい。……とかいいつつ、無責任なヤジ馬としては、輸入車市場にヒョンデという選択肢が増えるのは素直に楽しくもある。

(文=佐野弘宗/写真=ヒョンデ モビリティ ジャパン、webCG/編集=藤沢 勝)

FCEV「ネッソ」は容量156.6リッターの水素タンクを搭載。満タンからの航続可能距離は820km(WLTCモード)。
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個性あふれる「ネッソ」のリアビュー。デザインは現在のヒョンデの最大の武器だ。
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