5月1日に稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾によるレギュラー番組『7.2 新しい別の窓』(ABEMA、※以下『ななにー』)が、放送50回を迎えた。
他に類を見ない長時間生番組として2018年4月1日より始まった同番組。毎回7.2時間、単純計算で360時間もNAKAMAと共に楽しい時間を過ごしてきたと思うと実に感慨深い。そんな『ななにー』の50回目という記念すべき回にふさわしく、目が離せない、生放送ならではの場面が次々と繰り広げられた。
取り繕わない部分まで届ける3人の生放送力
まずは、かつて3人と共演した子役出身の俳優たちが大集合。『人にやさしく』(フジテレビ系)で香取と共演した須賀健太とのトークでは、香取が当時どれだけ一緒に遊んでくれたかという話で大いに盛り上がる。
香取の車で移動する際、いつもプレゼントしてくれたというおもちゃも持参。「サンタクロースじゃん!」と自らの行動を笑ってみせたが、一方で遊びに夢中になるあまり須賀がセリフを忘れてしまうというハプニングもあったそう。そんなときは、共に出演していた加藤浩次(極楽とんぼ)や松岡充らと「遊びじゃねーんだぞ!」と叱咤。台本を見ながらにらんでいた須賀の子どもらしい一面を再現し、笑いを誘った。
また『僕と彼女と彼女の生きる道』(フジテレビ系)で草なぎと共演した美山加恋が登場すると、草なぎもゲーム機や寄せ書きがされたぬいぐるみなどをプレゼントしてくれたと話す。当時、草なぎが勉強していた韓国語を教えてもらった様子も台本の落書きからも窺い知ることができた。
ところが、そんな美山が初めて携帯電話を持ったとき、スタッフに促されて草なぎに連絡先を聞いたところ、携帯を手に持っていたにも関わらず「持ってないから教えられない」と言われてショックを受けたと暴露。さらに、スタジオが一緒になったことがあった須賀も草なぎが、1人で「っしゃ!」と気合を入れている声が聞こえてきたと明かすと、香取に「(さっきから出てくるエピソードが)怖いよ」「トラウマ!」とツッコミを入れていた。
だが、最大のツッコミが入ったのは、映画『桜、ふたたびの加奈子』で稲垣が共演した横溝菜帆とのトークだった。香取×須賀、草なぎ×美山と違い、稲垣×横溝はたった1シーンだけの共演、しかも横溝が4歳のころだったということで、語り合える思い出がほとんどない。
「(お花見のシーンなのに)桜が咲いてなかったんだよね?」(稲垣)、「いや、満開でした……」(横溝)とすれ違う記憶に「クイズ番組じゃないんだから!」と香取の鋭いツッコミが入る。とはいえ、その作られていないトークもまた、長時間生放送でやってきた『ななにー』だけが持つ“ゆとり”の部分といえそうだ。
飾らず、作り込まず、ハプニングや失敗もそのまま楽しむ。ホンネトークのゲストで登場した坂上忍が驚くほどのゆるさが、3人の番組には共通してあるという。しかし、それができるのは、3人が肌感覚で掴んでいるライブ感への安心感あってこそだろう。
映画監督・白石和彌を前に、音尾琢真と共に即興の演劇を繰り広げたこともそう。映画賞を受賞してきた一流と呼ばれる監督や俳優を贅沢に使い、あえて“コント”のような寸劇を見せてくれる。それでも、香取と草なぎが見せたリストラされたサラリーマンが動物園で出会うという設定のアドリブ会話劇は秀逸だった。遊びの中から、フッと心を打つ瞬間が生まれる。そのミラクルまで見届けることができるのも、生放送ならではの醍醐味だ。
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