1日の時間は限られているから、私たちは、その貴重な1分1秒を大切な人のために使おうとする。とくに友達は、自分の意思で選べる家族と言っても過言ではないくらい大事な存在。でも、大人になるにつれ私たちは、交友関係を広げようとしなくなる。時間がないことを理由に親しい人とだけ付き合って、見知らぬ人と関わることを避けようとする。
でも、米国科学アカデミー会報誌『PNAS』に掲載された論文を読む限り、いまよりもっと幸せになるための秘訣は、見知らぬ人と話すことにある。オーストラリア版ウィメンズヘルスからその詳細を見ていこう。
米ハーバード大学の研究チームは、8カ国5万人のデータから、交友関係の広さがウェルビーイングに与える影響を調べた。その結果、“弱い紐帯”(家族や同僚ほど強くないネットワーク)が多い人は、人生に対する満足度が高いことが分かった。
この論文によると、とくに仲がいいとは言えないような知り合いを含め、さまざまな人と広く浅く付き合っている人は幸福感が高い傾向にある。なにも、1人ひとりと長話をする必要はない。知り合いの数が多ければ、それだけで、意図的に時間を設けなくても人と関わる時間が増えるため、メンタルヘルスが驚くほど改善するそう。
このような調査では昔から、友達が多い人は自然とポジティブになり、友達が少ない人はネガティブになりやすいという結果が出がち。でも、今回の調査では、友達というよりむしろ見知らぬ人と関わる機会を増やすだけで、数週間のうちにウェルビーイングが向上するという結果になった。
なにをすれば自分が幸せになれるのか、研究チームいわく私たちには、それを予測する能力が驚くほど欠けている。だから、知らない人を前にすると不安や恐怖が先行しがち。でも、もしかすると私たちは、いろいろな場所や状況でランダムに発生する交流の機会をもっと前向きに受け入れるべきなのかもしれない。そこで生じた会話のおかげで、その日1日どころか1週間が明るくなることもある。
※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: WH Staff Translation: Ai Igamoto
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