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Wednesday, May 10, 2023

米Google No.1デザイナーが実践する「なにもやる気が起きないとき」でも苦しくならない対処法 - Lifehacker JAPAN

apaituberita.blogspot.com

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悩みの多い30歳へ。世界最高の人材たちと働きながら学んだ自分らしく成功する思考法』(キム・ウンジュ 著、藤田麗子 訳、 CCCメディアハウス)の著者は、「井の中の蛙」になってはいけないというプレッシャーをつねに感じていたと過去を振り返っています。

そんななか、韓国で勤めていた会社を辞めてアメリカに渡ったのは27歳のとき。広い世界へ旅立つときがやってきたのだと希望に燃えていたようですが、実感せざるを得なかったのは、「自分を飾っていたものは、アメリカではなんの役にも立たなかった」こと。

2018年にグーグルに入社してからはひどいインポスター症候群(自分の能力を認められず、無気力感や不安を抱く心理現象)に悩まされたのだといいます。

しかし2020年にグーグルで下期の人事評価が始まるころ、「私たちは誰もが特別で大切な存在であることを忘れないで」ということばとともに「井の中の蛙」をデザイングループ全体のメールアドレスに送信したところ、社内のさまざまなグループに拡散され、多くの人たちが「私も蛙だ」とカミングアウトを始めたのだといいます。

賢くて優秀に見えた人たちも、同じように傷つき、自分と戦っていたわけです。

30歳になると、思い悩むことが増える。ミスをして落ち込み、この道を進み続けていいのだろうか? 周りに後れを取っているのではないか?と、自分がダメ人間に思えてきて、みじめになる。未来は不確かで、世の中はどんどん生きづらくなり、自分だけがレベルアップできていない気がして怖くなる。私もそうだった。(「PROLOGUE」より)

そうした経験があるからこそ、自分の文章が、同じような思いを抱く人の助けになるのではないか? 本書の根底には、そんな思いがあるわけです。

今日の自分が完璧であるはずがない。今日とさして変わらない昨日の自分も、取るに足らない存在だ。1週間前の自分もそうだし、1年前の自分もそうだ。しかし、そんな未熟な自分が1日を生き抜き、1週間を生き抜いて、1年を生き抜いた後、数年経ってから振り返ると、いつの間にかぐんと成長できている。(「PROLOGUE」より)

こう語る著者のメッセージが詰まった本書のなかから、CHAPTER 1「自分だけが後れている気がして不安なとき」内の「やることが多いのに、なにもやる気が起きないとき」に注目してみましょう。

グーグルに入社して感じたこと

新しい職場に適応するのは、いつだって難しいもの。人間関係を1から築き、組織とその現状を把握し、プロジェクトの内容を理解して、意味のある貢献ができるようになるまでには相応の努力と時間が必要とされるわけです。

現実的には、6カ月もあればだいたいのペースはつかめてくるものではあるかもしれません。しかし著者がグーグルに入社したときは、半年経っても落ち着かなかったといいます。

世界中の天才たちが集まっているかのように思えた。私が採用されたのはたまたま運がよかっただけで、ここで働けるほどの実力はないのだと感じることがよくあった。そのたびに自分の正体がバレそうで怖くなった。トイレに隠れたり、駐車場に止めた車の中にしばらく座っていたこともある。(19ページより)

著者いわく、グーグルは「夢を売る場所」。社員は「どんな問題を解決すべきか」「なぜこれをやらなければならないのか」「これが世の中をどんなふうに変えるのか」といった、壮大かつ曖昧なビジョンについて話し合うことが多いそう。

当然ながら機能をひとつ追加するときも、ありとあらゆる哲学的解釈と意味が必要となってきます。「人間と機械の対話のあり方」について、無数の解釈とアプローチから、それぞれが違った提案をするわけです。そんななか、夢を売る同僚たちの姿を見るにつけ、著者は「自分はこの会社にそぐわない人間だ」という恥辱感と恐怖に襲われたというのです。(19ページより)

自分を苦しめていた2つの感情

著者を苦しめる思考は2種類あったそうです。

「こんな状況なのにベストを尽くせていない」ということと、「そんな自分が大嫌い」だということ。ストレスはどんどんたまり、仕事のクオリティは下がる一方。友人から、専門家のカウンセリングを受けてみたらどうかと勧められたのは、悩みの悪循環から抜け出せずにいたある日のこと。

ところが、藁にも縋りたい心境だったためすぐに予約を入れたものの、カウンセリングに通い始めてからしばらくは、心の奥底にある本音を見せられなかったようです。

しかし、ようやく思いを打ち明けたところ、話を聞いていたカウンセラーは著者の努力をすべて認めてくれたのだといいます。体の機能を維持するために糖分や高カロリーな食べ物が欲しくなることも、インターネットを求めることも、ベストを尽くして生き残ろうとしているからなのだと。だから、もっと自分自身にやさしくしてあげてくださいねと。

この言葉を聞いた瞬間、涙が流れた。

「無力感に陥っているだけだと思っていたけれど、私が自分を鞭打っている間、体は何とか耐え抜こうとがんばっていたんだ。私の心も、何とかして生きようとベストを尽くしていたのね。自分を顧みなかったこの1年間、体と心は生き抜くためにもがいていたんだな……」(21ページより)

こう思えた結果、自分を縛りつけていた罪悪感と自虐の感情が薄れていったといいます。そして「これ以上、自分をほったらかしにしたり虐待したりするのはやめよう」と思ったのだそうです。(20ページより)

カウンセラーからの宿題

カウンセラーから宿題が出た。まずは、その日にやるべき作業を毎日書き出すこと。そして、どんなに小さなことでもいいから、やり終えるたびに自分を褒めてあげること。次に、思い浮かんだことをノートに書いて、頭の外に出してしまうこと。(22ページより)

その提案に従って、どんな小さなことでも「to doリスト」に書くようにした結果、やるべきことから目をそらしているという不安感がだいぶ解消された気がしたといいます。もちろん課題は増えていくものですから一進一退だったものの、それでも進捗状況が見えるので漠然としたストレスは減っていったそう。

小さなことかもしれませんが、たしかにそういったことにこそ、解決するべき問題の核が隠れているのかもしれません。(22ページより)

30代を自分らしく生き抜けば、40代になったとき、より頼もしくなった本当の自分に出会えるはずだと著者は主張しています。

もちろんその過程においては障害も多いでしょうが、できることをやってみれば、自分がどんな人間なのかがわかるとも。これから先を自分らしく生きていくために、そんな著者の考え方を参考にしてみてはいかがでしょうか?

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Source: CCCメディアハウス

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