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Thursday, August 24, 2023

【BOOKS】西洋美術史に欠かせないルネサンス巨匠伝『美術家列伝 ... - 読売新聞社

apaituberita.blogspot.com

8月24日に発売の『芸術新潮』9月号で特集されている「こんなにおもしろい ルネサンス巨匠伝」はヴァザーリ『美術家列伝』全6巻の全訳が昨年12月に完結したことを記念するものです。『美術家列伝』ってなに?と刊行した出版社の中央公論美術出版に聞いたところ、ポイント解説をしてくれました。

西洋美術史における最も基本的で重要な古典的美術文献

みなさんは16世紀のイタリア人画家、建築家のジョルジョ・ヴァザーリによるイタリア・ルネサンスを彩った芸術家たちの伝記集成『美術家列伝』をごぞんじでしょうか?

レオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエロ、ミケランジェロ……14~16世紀の300年にわたる画家・彫刻家・建築家たちの生涯と作品の叙述の集大成であり、西洋美術史における最も基本的で重要な古典的美術文献です。

わかりやすく『美術家列伝』とはどのような書物なのかポイントをあげると、

1 この書物から“美術史学”が始まった!

歴史上、始めて公刊を意図して著された美術家の伝記集成です。美術史学は本書によって創られたといわれています。美術史学における本書は、自然科学における『博物誌』や『種の起源』のような存在です。

2  ルネサンスに関しては必ず引用・参考とされる文献!

ルネサンスに関する小説(たとえば塩野七生さん)や評論その他などでは、必ず引用・参考とされる最重要文献です。本書抜きでルネサンスを語れません。また西洋文化を知る上でも不可欠の文献です。

3 世界中で翻訳され、版を重ねる基本文献!

世界各国語に翻訳され、欧米ではいろいろな版元がそれぞれ出版しているほどです。先進国では全訳が刊行されていないのは日本だけだといわれていましたが、中央公論美術出版から完全訳が2014年より全6巻の予定で刊行開始となり、2022年12月、ついにシリーズ完結となりました。

4  欧米では、本書を蔵書していない図書館は存在しない!

たとえば日本に『源氏物語』を蔵書していない図書館がないのと同様、欧米に本書を蔵書していない図書館はありません。欧米ではそれくらい重要な基本図書です。

5 リファレンス図書としても、読み物としても!

同じ16世紀を生きたヴァザーリが描く美術家たち(画家・彫刻家・建築家)の各伝記など約170篇と多くのエピソードが満載され、それはまるで短編小説さながらの面白さです。リファレンス図書としても活用でき、また読み物としても楽しめます。

中央公論美術出版の『美術家列伝【全6巻】』は日本初の完全訳であり、第一線で活躍する研究者らによる解説と詳細な註を収録。また、可能な限り作品図版も収載して、ルネサンス美術の全体像を視覚的にも追体験できるものです。

「芸術文学の古典としてもっとも有名で、もっとも研究された本」、「イタリア・ルネサンスを語る上でもっとも影響力のある書物の一つ」、「芸術史を最初に構築した文書の一つ」と言われる『美術家列伝』をきっかけに、西洋美術の黄金時代に触れてみてください。

気になるお値段は?

6冊セットで19万8,000円。1冊(各3万3,000円)ごとの購入もできます。中央公論美術出版のHPで送料無料です。
(読売新聞デジタルコンテンツ部美術展ナビ編集班)

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