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Saturday, November 4, 2023

【定年後の歩き方】「お金があってもなにもない…」熟年離婚された公務員男性の後悔と、妻子が去った人生で見つけ ... - serai.jp

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定年退職の年齢が上がっている。かつては60歳だったが高齢者雇用安定法が2021年に改正され、企業に60歳未満の定年を禁止し、65歳までの雇用確保措置(「定年制の廃止」・「定年の引上げ」・「継続雇用制度の導入」のいずれか)が義務付けられた。また、65歳から70歳までの就業機会の確保が努力義務になった。

定年退職にまつわる、厚生労働省の最新データ『高年齢者雇用状況等報告』(2022年発表)をひもとくと、65歳までの高年齢者雇用確保措置を実施済みの企業は99.9%。70歳までの高年齢者就業確保措置を実施している企業は27.9%に過ぎなかった。

人生100年と言われている時代、定年後の長い人生をどのように過ごせばいいのか、さまざまな定年後の人生を歩く人々にインタビューを重ねていく。

65歳の洋一さんは、60歳で定年を迎える直前に、30年間連れ添った妻(当時55歳)と離婚して、実家に戻り83歳の父と2人暮らしをしている。現在は、一人娘(当時22歳)とも音信不通だという。前編では洋一さんの生い立ちについて伺い、後編では定年後の生活も含めて紹介していく。

【これまでの経緯は前編で】

妻子の行動を制限した理由

女優だった母親が、洋一さんを捨てて恋人と家を出たとはいえ、結婚生活30年間、妻子の門限を19時に設定し、それを貫いた根気のよさに舌を巻く。

「理由があれば許可をしていました。でも、妻の仕事は家にいて、守ることじゃないですか。夜こそ重要な電話がかかってくるのだから、それに応対しなくちゃいけないし、来客もある。私が帰ってきたら、夕食を出さねばならない。家事には終わりがありませんから、家にいるのが当たり前なんです。そういうことが崩れているから、日本が今のようになってしまった。秩序がなければ発展はないんです」

大学に入学した娘に対しては、門限を緩めており、21時に設定したという。

「娘に対しても、門限を設定したのは、彼女が傷つくことを未然に防ぐためでもあります。教育関連の仕事をしていて感じたのは、悪い道に進むのはそういう環境があるからです。夜に町をふらついていれば、悪い誘いがある。お酒やたばこ、薬の誘いもあるかもしれない。そういう悪い奴は、いい人の仮面をかぶっている。子供は未熟だからわからないんですよ」

明るいうち、酔客が街に歩いていない時間帯なら、裏社会や犯罪に巻き込まれないことはどの親もわかっている。しかし、共働きだったり、自分の生きがいなどに夢中になっていると、子供の行動を管理できない。洋一さんはそれを問題視していたのだ。

「それに、女の子は少々親が厳しいほうが、まともな家に嫁に行ける。私は部下の結婚のアドバイスもしていたのですが、“入籍前に相手の経歴を調べろ”と言っていました。ある部下は、私の言うことを聞かずに、勢いで結婚してしまったのですが、その相手は借金歴はあるは、おとこ遊びはひどいわで、その部下は職務に集中できなくなってやめていきました。家庭は全ての基本です。公務員は税金から給料が支払われ、国の未来を作る仕事です。つまり、国家全体のために働かなくてはいけない。それなのに余計なことに意識が飛んでしまうと、それさえもできずに税金泥棒になるんです」

職務のために、家族を管理していたが、定年になってしまえば、仕事も義務もなくなる。その後の人生を考えていたのだろうか。

「……それは考えていませんでした。今に集中していた。娘も公務員になりたいと言っていたので、私のような公務員と結婚し、堅実な家庭を作るのだと思っていたんです」

娘が社会人になって、独立したり、一人暮らしをすることも想像していなかったという。娘は結婚まで同居し、洋一さんの手元から嫁いでいくイメージしかなかった。

【お金はあっても、何もない……次のページに続きます】

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