コロナの感染拡大による在宅勤務や生活スタイルの変化により、20~30代の若い人たちの間で、つみたてNISA口座を開設する動きが急増した。そして、2024年からは新NISAがスタートする。本連載では、新NISAをきっかけに投資や資産形成を始めてみたいという人に向けて、失敗しないためのポイントをわかりやすく解説していく。『新NISAはこの9本から選びなさい』(中野晴啓著、ダイヤモンド社)の内容を基に、一部を抜粋して公開する。「新NISAってなに?」というビギナーの人でも大丈夫。基本的なところからわかりやすく説明するので、ぜひ最後までお付き合いください。
非課税枠の再利用ができる
新NISAでは、口座開設期間の恒久化と非課税保有期間の無期限化に伴い、NISA口座を用いて投資した株式や投資信託を売却、もしくは解約した後も、その枠を翌年から再利用できることになりました。
従来、一般NISAやつみたてNISAでは、たとえば2023年の枠を使って購入した株式や投資信託を売却、もしくは解約した場合、2023年の枠を再利用することは認められていませんでした。
しかし、「新NISA」では、非課税枠の再利用ができます。
口座開設期間の恒久化と非課税保有期間の無期限化を実現した以上、売却や解約した後の枠を再利用できなかったら、非課税枠を使って投資をした後、利益確定のために売却や解約をしてしまうと、どんどん使える非課税枠が減ってしまいます。そうすると、何のための口座開設期間の恒久化なのか、あるいは、非課税保有期間の無期限化なのか、分からなくなってしまいます。つまり、枠の再利用は極めて理にかなっているのです。
「つみたて投資枠」と「成長投資枠」という
2つの枠がある
その代わりといっては何ですが、「新NISA」を用いて投資できる金額には上限が設けられています。詳細は後述しますが、「新NISA」では、つみたて投資枠と成長投資枠という2つの枠が設けられ、両方の合計で最大1800万円までの非課税枠が認められています。
個人は1800万円までであれば、好きな時に非課税枠を用いて株式や投資信託を購入でき、かつ自分自身で納得のいく利益が得られた段階での現金化も、自由に行えるのです。
しかも前述したように、枠の再利用ができますから、売却や解約をした後も、投資金額が1800万円を超えさえしなければ、「新NISA」の口座を用いて投資ができるようになるのです(下図)。
中野 晴啓(なかの・はるひろ)
なかのアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長
1987年明治大学商学部卒業。セゾングループの金融子会社にて債券ポートフォリオを中心に資金運用業務に従事した後、2006年セゾン投信株式会社を設立。2007年4月代表取締役社長、2020年6月代表取締役会長CEOに就任、2023年6月に退任。
2023年9月1日なかのアセットマネジメントを設立。
全国各地で講演やセミナーを行い、社会を元気にする活動とともに、積み立てによる資産形成を広く説き「つみたて王子」と呼ばれる。公益社団法人経済同友会幹事他、投資信託協会副会長、金融審議会市場ワーキング・グループ委員等を歴任。
著書に『最新版 つみたてNISAはこの9本から選びなさい』(ダイヤモンド社)他多数。
からの記事と詳細 ( 新NISAでは、最大1800万円までの非課税枠が認められている - ダイヤモンド・オンライン )
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