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Monday, March 30, 2020

社説 施設の集団感染 防止策の検証と共有を - 信濃毎日新聞

 千葉県の障害者福祉施設で新型コロナウイルスの集団感染が起きた。愛知県や兵庫県では、高齢者介護の通所施設が媒介となって感染者集団「クラスター」が発生している。

 福祉施設は人が密集しがちで、介護や食事などで職員と利用者の接触が多く、感染拡大につながった可能性がある。

 高齢者や持病のある人は重症化するリスクが高い。施設で感染が広がった場合の影響は深刻だ。

 多くの施設が警戒を強めている。休業すれば利用者は行き場を失い、家族の負担は大きい。

 気を付けていたはずの福祉施設でなぜ広がったか。防止策のポイントはどこにあるのか。国や自治体は経緯を検証し、課題を広く共有できるようにしてほしい。

 千葉県の施設「北総育成園」は船橋市などから知的障害者を受け入れている。入所が70人で、職員67人。通所利用も9人いる。

 感染が分かったのは入所者と職員を合わせた数の半数以上。職員の家族の感染もあった。ドアノブなどを消毒していたが、マスクは不足し、職員は常時着用できない状況だったという。

 障害が重く、マスクをするのを嫌がる人や、症状を言葉で表現できない人もいたとみられる。

 同園に限らず、福祉施設の物品不足は深刻化している。国や自治体は、施設が優先的に消毒液やマスクを調達できるよう、十分な対策を講じるべきだ。

 施設が予防でまず取り組むべきは水際対策だろう。外からウイルスを持ち込まないよう、多くの施設が既に面会を制限している。

 施設内では、小まめな手洗いや消毒といった地道な取り組みが問われる。食事介助時などの場面では神経を使う日々が続く。

 それでも集団感染を防げないことはあるだろう。最悪の事態に備え、施設内での入所者の隔離方法などを準備しておきたい。

 環境の変化に敏感な知的障害者の場合、感染が分かったからといって他の施設や病院に移るのは簡単ではない。感染後も同じ施設で過ごさざるを得ない人も少なくない。同園では実際、集団感染の発生後もできるだけ普段のケアの継続を目指すことになった。

 専門家は、一例として施設のワンフロアを隔離場所として病院代わりに使うよう提案している。柔軟な発想で対応したい。

 多くの職員が感染した同園は人手不足が深刻で、他施設からの派遣を検討中という。応援態勢の整備も重要になってくる。

(3月31日)

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