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Friday, May 22, 2020

子どもに「倒産ってなに?」と聞かれたときの正しい答え方 | 富裕層向け資産防衛メディア - 幻冬舎ゴールドオンライン

子どもに「倒産ってなに?」と聞かれたときの正しい答え方

もしお子さんに「倒産ってなに?」と質問されたら、あなたは答えられるでしょうか。もしかしたら「知っているつもり」になっているだけで、正しく理解できていないかもしれませんよ。軽妙なコラムで多数のファンを持つ経済評論家の塚崎公義氏が、経済初心者のための超入門講座を開講! 第8回は「会社の倒産」について解説します。

支払うべき金が払えないため、会社を解散=倒産

資本が100万円、負債が100万円のパン屋があるとします。200万円分のパンを仕入れましたが、大量に売れ残って傷んでしまい、手元には90万円の現金しかありません。その場合、パン屋にお金を貸している銀行はどんなことを考えるでしょうか?

じつは、会社が1つの銀行から借りている場合と、2つ以上の銀行から借りている場合では事情が異なります。

あああ

パンは売れず、支払うべき金は支払えず…。

●負債100万円…10行の銀行から、それぞれ10万円借りている場合

まず、会社が10の銀行から10万円ずつ借りている場合について考えてみましょう。

銀行①は考えます。「わが行以外の9行が先に10万円ずつ返済を受けると、会社は財産がなくなってしまうから、わが行は返済を受けられなくなってしまう。ほかの銀行が返済を受ける前に急いで返してもらおう」と。

しかし、銀行②~銀行⑩もすべて同じことを考えますから、会社には銀行が殺到して、結局、持っている金では返済できなくなります。これが倒産です。

そのときに裁判所が「みなさん、落ち着いて下さい! 会社の財産は裁判所が管理して、すべての銀行に9万円ずつ返済します」と宣言することがあります。これも倒産です。

●負債100万円…1行の銀行から100万円借りている場合

1つの銀行だけから借りている場合には、銀行が返済を待ってくれる場合もあります。

「返済を待ってあげるから、90万円でパンを仕入れて儲けなさい。そして100万円全額を返してもらえませんか」というわけですね。もっとも、90万円で仕入れたパンが再び売れ残る心配がありますから、待ってくれる銀行は少ないと思いますが。

倒産する会社に「株主ができること」はなにもない

株主は、会社に対して「会社を作ったときに金を出したのだから、返してくれ」とはいえません。株主に金が戻るのは、会社が儲かって配当をもらう場合と、会社が解散するときに持っている物を全部売り払い、借金を全部返した残りを計算して「1株あたり何円」という金額を出し、株主で山分けする場合だけです。

今回のパン屋の事例では、会社は儲かっていないので配当はもらえませんし、持っている物を全部売っても借金が全部は返せないので、株主はなにももらえないのです。

もっとも、銀行から「会社が返せないなら、株主が代わりに払え」といわれることもありません。これは「株主有限責任」という法律があるからです。詳しくは『中学生に「株式会社の資本と負債」を説明してみた』をご参照下さい。

設備等を持っている会社の場合、少し複雑

例のパン屋が立派なショーケースを持っているとします。買ったときは高価だったわけですが、いざ売ろうとすると安値しかつきません。その場合には、少し事情が違うかもしれません。

1つの銀行から借りている場合は、返済を待ってくれる可能性があります。銀行としては「ショーケースを売って、返せるだけ返してくれ」といったところで、どうせ少ししか返ってきませんから、それならばいっそのこと、返済を待ち、パン屋が儲かって融資が全額返ってくる可能性に期待した方がマシかも、と考えるかもしれないからです。

同じ状況であっても、もし10の銀行から10万円ずつ借りている場合は、銀行同士がわれ先に返済を受けようと競争しますから、待ってもらうことはむずかしいでしょう。そうなると、結局、ショーケースを安く売ることになってしまいます。

最初に返済を要求した銀行だけが返済を受けられて、ほかの銀行は返済を受けられない、ということでは困りますから、裁判所の指示で平等に分けるかもしれませんが、それでも結局、高価だったショーケースを安く売ることになるわけで、もったいない話ですね。

そんなときには、裁判所が「すべての銀行は、貸出を半分あきらめなさい。そして、返済を要求せずに、パン屋が商売を続けて利益を稼げるようになることを期待して待ちなさい。そうすれば、貸出の半分は戻ってくるかもしれないから」と命令することもあるようです。

その場合、パン屋は引き続き商売を続けることができるわけですが、解散こそしていないものの、支払うべき金が支払えていないということから、これも「事実上の倒産」といっていいでしょう。

従業員が大勢いる会社が倒産してしまうと、大勢の失業者が出たり取引先が困ったりするので、裁判所が「事実上の倒産」を決める場合も多いようです。そうすれば、従業員は引き続き仕事に就いて給料を受け取ることができるからです。

今回は以上です。なお、このシリーズはわかりやすさを最優先として書いていますので、細かいところについて厳密にいえば不正確だ、という場合もあり得ます。ご理解いただければ幸いです。

筆者への取材、講演、原稿等のご相談は「幻冬舎ゴールドオンライン事務局」までお願いします。「幻冬舎ゴールドオンライン」トップページの下にある「お問い合わせ」からご連絡ください。

塚崎 公義

経済評論家

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May 23, 2020 at 03:06AM
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