大阪ニュース
2020年9月6日
コロナ禍の中で深刻化が懸念される子どもの貧困問題について、大阪市は貧困対策に加えて地域活動としての子ども食堂の活用、教育分野と福祉分野のデータの共有化による支援強化といった方向性を固めた。
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| 大阪市で行われた「こどもの貧困対策推進本部会議」で議論するメンバー |
１日に行われた大阪市の「こどもの貧困対策推進本部会議」。松井一郎市長が本部長を務め、関係部局に有識者も加わり、２０１８年度からの５カ年で実施する「大阪市こどもの貧困対策推進計画」の進行状況や２１年度の重点施策の方向性について議論した。推進計画に関しては、２１年度に予定していた実態調査の実施時期を、大阪府と共同で２３年度に実施するよう変更するとともに、推進計画を２年延長し、２４年度までとする方向。
子ども食堂の活用については、貧困家庭ではない子どもたちの居場所になっている面もあり、「（可能であれば）本来は家で食事をとれる方がいい」「確実に対象になる子どもが来ていなくては」といった疑問が出される一方で、「子ども食堂には地域活動、貧困対策の二面がある。子どもの貧困は見えにくく、地域に子どもの行ける場所あった方がいい」、「しんどい親御さんがかかわる場所になることも大きい」といった指摘があった。
松井市長は「地域で子どもを育てる居場所が、各小学校区にあった方がいいという必要性は共通認識。子どもたちが自分の未来に希望を持てるようにサポートしていく」とし、事業を充実させる方針を決めた。
また、大阪府立大の山野則子教授が自治体のシステムについて、福祉と教育の分野の情報を人工知能（ＡＩ）で共有化し、支援の強化を図る取り組みを試行していると説明。大阪市も試行メンバーへの参加を検討することになった。
大阪市の取り組みでは、課題を抱える家庭を、学校や区役所、地域が連携して支える「こどもサポートネット事業」や、事業を支えるスクールソーシャルワーカー（ＳＳＷ）の確保などが「（全国でも）抜きんでている」（山野教授）と評価された。
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