ヴィッセル神戸のセンターバック、菊池流帆にインタビュー。昨季は最終ラインで相手の攻撃を跳ね返しまくり、リーグを代表するDFとして頭角を現した。今季目が離せない注目のひとりだ。
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ここ1年ほどの間に、著しく存在感を高めるひとりの守備者がいる。
ヴィッセル神戸の菊池流帆、現在25歳。大卒3年目、神戸での2年目の昨季、最終ラインの中央で定位置を掴むと、188cmの長身と野性的な脚力を武器に、球を弾き返し、敵を封じ込めた。
身体を投げ出してピンチを凌ぐたびに、腹の底から発するその咆哮は、疫病対策で観衆の声援が禁じられたこの国のスタジアムに、ことさら響いた。それはまた、一つひとつの勝負を制して威勢よく上げる勝ち鬨にも聞こえた。
世間で言われる一般的なZ世代の若者とは一線を画す、熱い男──。そのエモーショナルなパフォーマンスを目にすれば、観る人の心は揺れ、勇ましい姿は胸に残る。
記憶だけでなく、記録もしかと刻んでいる。昨年のリーグ戦では、チームで2番目に多い37試合に出場。彼が14試合しか出場しなかった一昨季と比べて、神戸の総失点は59から36に、23点も減った。ヴィッセルがリーグ戦を3位で終えられた大きな要因のひとつだ。
「(それが)自分の働きによってもたらされたものかどうかは、わからないです」と、菊池は謙遜する。
「みんなでチームの守備組織を構築し直した結果だと思います。特にハイプレスがしっかり機能していました」
自身のプレーについては、「デュエルやハイボールにはもともと自信を持っていた」と言う。そしてコンスタントに出場機会を得るなかで、ハイレベルな環境に「慣れ」ていき、「何も考えなくても」対処できるようになっていった。
また所属クラブの特別な環境が、彼の急成長を促してもいる。なかでもアヤックス、アーセナル、バルセロナ、ローマと、欧州各国の名門でプレーしてきた元ベルギー代表センターバック(CB)のトーマス・フェルマーレンの隣でプレーしたことは、菊池に多大な影響を及ぼした。
「本当に偉大な選手とコンビを組ませてもらいました。安定感がすごく高くて、ポジショニングに間違いがなく、パスにはメッセージが込められていました。トーマスから吸収したことはとても多かったです」
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