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Wednesday, February 23, 2022

BIMインタビュー『なにがヒップホップか?——ジャンルを越えていける現状が居心地がいい』 - Red Bull

apaituberita.blogspot.com

今回のサイファーを振り返ってみていかがでしたか?

tofuさんのビートを聴いたときにBPM的に半分でも取れるし、倍でもいけるし、自由度があるなかでどんなことをやろうかなと思って。で、今回みたいなサイファーだと最初からラストまでの役割分担が重要だなと。その役割を模索しつつどうカマすか考えていて。しかも普段の自分とはちがうスタイルにも挑戦できるなというのもあったんですよね。

だから今回は自分の曲でやってる感じより言葉を刻んだり、したことないようなフロウにもトライしていて。なにより、ほかの3人はみなさんラップがうまいじゃないですか。そこに負けないようにがんばったつもりです。

RASEN EP15

© Suguru Saito

気に入ってるのは“暴れる準備ならできてるぞ/Allday Allnightこもるスタジオ”ってとこ。自分にとってのリアルだし、いまはこんな状況だけどコロナが明けるいつかのために作ってるってところも大きいので。こういう内容って自分の曲だとなかなかアウトプットしづらいので、吐露できてよかったですね。

BIM

© Suguru Saito

現在の日本のヒップホップ・シーンについてはどう考えていますか?

みんなの居場所が大きくなったぶん、“なにがヒップホップか”ってことが昔と比べて議論されなくなってきたかなって思いますね。でもそれって健全であると自分は思ってて。ヒップホップであるかの基準って各々の解釈だと思うし、曲の最初から最後まで歌ってるラッパーなんてUSでもめちゃくちゃいるわけで。それを“そんなのヒップホップじゃないよ”って怒るひとも最近はあんまり見なくなったなって。

それこそ自分が『大豆田とわ子と三人の元夫』の曲をやったときも、昔だったら“BIMはセルアウトした”って言われてもおかしくないだろうけど、そんなことも一度も言われなかったし。すごく寛容なシーンになったし、みんなでヒップホップという文化を作っていってるって勝手に感じてたりしてて。自分自身もいろんなジャンルのひとと音楽を作れる現状がすごく居心地がいいと思ってます。

RASEN EP15

© Suguru Saito

自身の現在のアーティストとしてのモードを自己分析するなら?

自分自身に満足はしてなくて。満足しないようにしてるっていうか、自分のタイプとして日々いろんなことしたいって思うタイプなので。で、更新していくなかでこれまで接点がなかったアーティストと曲を作れたりするっていうのもうれしいことで。

そういう意味で自分はどこにも属してないし、いろんなとこにおじゃましても違和感なくいっしょにやれてるんじゃないかなって。そういう立ち位置のアーティストっていうことがすこしづつだけど認知されてきてるんじゃないかなとは思ってます。

RASEN EP15

© Suguru Saito

影響を受けた人物は?

学生時代にアメフトをやってて、自分はディフェンスだったんですけど、同級生にディフェンスのリーダーだった宮川っていう友達がいて。そいつは高校1年のころから3年生の試合に出れるくらいのスター選手で。背が高くて、運動神経もいいんですよ。3年生になったときも自分はそこまで試合に毎回出れるような選手じゃなかったんですけど、そいつは試合が終わったあとに“オレ、今日どこが悪かったかな?”って真剣に訊いてきてくれて。で、アドバイスすると次の日にはそこを改善してくれてる。そのときに“こいつはスター選手なのに、3年になってやっと試合に出れるようになったオレなんかの意見を聴いてくれてる”って思って。

BIM

© Suguru Saito

当時の自分は客観的な目線というのを持ってなくて、宮川の俯瞰した目線を取り入れるって考え方に影響を受けたんですよね。それをきっかけに自分がやりたかった音楽をやろうって思えたっすね。いまもよく会うけど、年齢を重ねて変わった部分はあるけど、根本の根本は変わってなくて、いまだにカッコいいなって思える。彼にはすごく影響を受けたと思います。

BIM

© Suguru Saito

今後の予定と将来の展望について教えてください。

けっこう曲は作ってるので、今後これをどうリリースしていくかっていうのを考えつつ。結局、曲作ってリリースしたときが自分の生活のなかでいちばん達成感があるので。で、今年は所属してるCreativeDrugStoreってクルーが10周年なので、いろんな形で動ければいいなと思ってますね。

将来の展望……むずかしいっすね。でも今日Boseさん、田我流さん、Skaaiくんという先輩や歳下のカッコいいラッパーとサイファーしてみて“まだまだ自分はやることがたくさんあるな”って思えたんで。いろんなこと……自分のいい部分も悪い部分も含めてですけど、気づいていきたいですね。それを続けて、たくさん養分を取り入れてカッコよくなっていきたいです。

RASEN EP15

© Suguru Saito

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