感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』の著者が、voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」から、とっておきのアドバイス。心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で気分はスッキリ、今日がラクになる!
突拍子もないことをいうと……
きょうのひとことは、
「一緒にいて落ち着く人」
一緒にいて落ち着く人っていませんか?
恋人、友人、同僚、家族など、いろいろな関係性がありますが、一緒にいて落ち着く人というのは、「想定できる人」なんですね。
たとえば、会社の会議での議論なら、相手が「なにをいうかわからない」「思ってもいないことをいわれる」ということが大切になります。自分にはない発想や意見を交わしながら、組織の生産性を高められるからです。もし想定内の似通った意見ばかりだと、議論の発展性を欠いてしまいます。
ところが、これがプライベートになると、ちょっと違ってきます。
プライベートでは議論を戦わせるというよりも、「ゆっくりしたい」「落ち着きたい」「癒されたい」という思いのほうが強いわけです。ですから、「突拍子もないこと」や「思いもよらないこと」をいわれたら、落ち着かなくなります。
つまり、想定できないことをいう人と一緒にいると、心が落ち着かないわけです。
一緒にいて落ち着く人というのは、突拍子もないことをいわない人、突然思いもよらないことをいわない人なんです。こうした配慮がある人というのが、一緒にいて落ち着く人の定義なんだと思うんです。
もしあなた自身が一緒にいて落ち着く人になりたいのであれば、思いつきで突拍子もないことをいわないことが第一です。やりたいこととか変えたいことがあるとすれば、思いつきでいうのではなく、ある程度自分のなかで考えをまとめたうえで、話を小出しにしてみることです。
わかりやすい例でいうと、いきなり家族に「引っ越ししよう」といい出したら驚きますよね。もし引っ越ししたいと思ったら、なぜ引っ越ししたいのか、どのへんに引っ越ししたいのか、引っ越しするとどんなメリットがあるのか、といったことをある程度自分のなかでまとめてから、家族に「引っ越しするのも楽しそうじゃない?」みたいに、まずは思っていることのほんの一端だけ伝えてみるのです。
突然、なにをいうかわからない人と一緒にいると、相手は癒されない。まずは、この発想を持つことです。
伝えなくてはいけないことであっても、頭ごなしにいうのではなく、ある程度の雰囲気づくりをして、できるだけ自然の流れのなかで伝えてあげる。そういう配慮のある人が、一緒にいて落ち着く人になるでしょう。
ものすごくシンプルにいうと、「相手の立場になって発言する」ということが大切です。
独善的な正論をかざして一方的な意見を突然いい出すような相手は、一緒にいて落ち着きません。そのことが相手の労力を強いることであれば、自分だけでなく相手を巻き込むことになるわけですから、「いつなにをいわれるかわからない」ということになって落ち着きません。
これから起きることを想定させてあげるという配慮があると、一緒にいて落ち着く人に近づけるんじゃないかと思います。
きょうのひとことは、
「一緒にいて落ち着く人」
でした。
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