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Sunday, July 3, 2022

本質えぐる演出、ピーター・ブルックさん死去…「なにもない空間」で日本演劇界にも影響 - 読売新聞オンライン

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 古典から現代作品まで、シンプルで革新的な演出で世界の演劇に影響を与え、映画監督としても活躍した英国の演出家ピーター・ブルックさんが死去した。97歳だった。英紙ガーディアン電子版などが3日報じた。

 ロンドン出身。10代から演出家として活躍した。「リア王」「夏の夜の夢」などを、ロイヤル・シェークスピア・カンパニーで次々に演出し、作品の本質をえぐる手法が称賛を浴びた。

 ベトナム戦争中の1966年には戦争を批判する「US」を上演し、即興的な討論劇という斬新な形式を提示した。70年代にパリに拠点を移した。日本人俳優・ 笈田おいだ ヨシさんら各国の若い俳優などと世界を巡演し、野外公演などに精力的に取り組んだ。

 85年に初演した古代インドの長編叙事詩を基にした「マハーバーラタ」は、計9時間の上演時間で、様々な人種、国籍の俳優がシンプルな構成の中に人間の存在や文明の深みを表現し、日本でも上演され話題になった。

 68年に出版された演劇論の著作「なにもない空間」は、日本の演出家にも大きな影響を与えた。

  演劇評論家のみなもとごろうさんの話 「能や松尾芭蕉の句など、簡素でありつつ思想性がある日本の文化を深く理解し、演劇に生かした。表現に自らの主張を入れ、それを世界中の人々に分からせる力を持っていた。次の作品では何をしてくれるのか常に期待感があっただけに、亡くなったことが残念でならない」

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