歳を重ねても清らかに澄んだ輝きを放つ吉川ひなのさん。華やかな世界で活躍しながらも、ハワイの自然の中で暮らす3児の母としての顔も持ち、家事や子育てについての飾らぬ日々を綴るSNSには多くのフォロワーからの共感も集まる。そんなひなのさんが子育てで大切にしていることを聞いた。
「本当に愛されている子」の強さを感じる
「親は“大人という権力”を持っているから、子どもを理不尽に黙らせることもできるし、つい嫌な言い方をしてしまうときもある。それですごく罪悪感に苛まれたりもするけども、揺るぎない愛情と本当に子どもを大事に思う気持ちがあれば、日常の些細なことは全然平気なんじゃないかな。私自身、子育てをしていてそう思えるようになりました。夫に対して『なんでそんな言い方するの? やめてよ!』ときつく当たったこともあったけど、怒られた娘は『パパ、今日はこういうテンションの日か』とか言うんですよ。それがまたちょっと上から目線で、私もずっこけちゃって(笑)。本当に愛されている子は強いから大丈夫なんだなって思いました」
子どもたちに惜しみなく愛情を注ぐひなのさんに子育てのルールを聞くと、共通するのは「子どもをひとりの人間として扱う」ということだった。
ひなの流子育てルール【1】
怖がらせない
「まずは、恐怖を与えないこと。特に、お化けとか、根拠のない恐怖。いま寝かせたいからといって『寝ないとお化けがくるよ』なんて絶対言わないです。私はずっとそう言われて育ったから、幼少期の感覚が蘇ってしまって、本当に最近までひとりで寝るのが怖かったんです。だから夫と話し合って、子どもたちにはやらないようにしようと決めました。でもね、どこかから聞いてきて『海坊主ってなに?』とか言うんです(笑)。そうやって聞かれたら、『全然会ったことないし、見たこともないけど、たぶん超いい人だと思うんだよね』って伝えてます」
ひなの流子育てルール【2】
「子どもだから」と差別しない
「あとは、尊重すること。たとえば大人同士が話しているとき。夫が幼い頃は、親に『何のこと?』と聞いたら『子どもにはわからない』って言われたそうなんです。その場に居合わせているメンバーとして、そんな風に言われるのは嫌ですよね。だから私たちは、『いまこういう話をしているんだよ。ごめん、もうちょっと話をさせて』みたいに、ちゃんと伝えるようにしています。外食にいくときも、勝手に決めないでみんなの意見を聞く。『じゃんけんにする?』とか、どういう風に決めるかも話し合います」
「夜7時以降はドタバタうるさくするのは禁止」という家のルールも、大きな音が苦手なひなのさんの思いを話し、相談しながら決めたこと。「どんなときも、どうしたいか、どう思うかを話し合って、ひとりの人間として尊重する。それを大事に思っています」
ひなの流子育てルール【3】
「宿題したの?」と聞かない
「一番上の子が、2歳くらいから自分で支度をするようになったんです。『出かけるよ』というと、お気に入りのものをバッグに詰めはじめる。親が『いらないものを持っていかないで』なんて横入りするんじゃなくて、全部まかせました。外で問題が起こっても、本人がそこで失敗だったと学ぶのだから、その機会を奪うのはやめようと思ったんです。
それからは、全部子どもたちの自主性にまかせています。だから、学校でどんな宿題が出たかも、私は知らないんですよ。もしかしたら宿題をしないで学校に行っているかもしれないけど、なぜやらなかったかは子どもたちが先生に話せばいい。本当に何も言わないので、長女は親に頼っててもダメだと思ったのか、すごく自分で考えてやっていて、学校では優等生のような立ち位置になってます。それもおもしろいなって思うんですよ。ただし、手伝ってと言われたら、全力で手伝います」
自主性にまかせ、自由に育てながらも、愛情を伝えることは絶対に欠かさない。
「どれだけ好きかはちゃんと伝えますし、聞いてます。『ママがあなたをどのくらい好きか知ってる?』って。すると『知ってる!』って言って、庭の一番端まで行って『ここから……(庭をぐるっとまわって)ここまで!』って言ってくれたりして、それがすごくかわいいんです。やっぱり『大好き』って言われるとうれしいですよね。だからいつも言ってます。そうしたら息子もすごく言ってくれるようになって、いまでは誰にでも、隣のおじさんにも言ってます。『大好きだよ』って(笑)」
愛情を惜しみなく注げるのは、彼女のなかに愛が溢れているからだろう。
「そうなのかな? 家族だけじゃなく、一緒に暮らしている動物も、みんながのびのび気持ちよく、幸せそうに生きているのを見ると、すっごく気持ちいいでしょ? 心も満たされていくんです。うちの猫は絶対オアフで一番幸せだと思う!みたいに(笑)。それが私の幸せなんです」
日々の暮らしが私を癒す。新しい自分になっていく
一時は、自分の心を救うために、カウンセリングにも通った経験もあるというひなのさん。いまは、彼女の傷を癒すセルフケアは日々の暮らしのなかにたくさんある。
「近所のオーガニックファームの野菜を買ってお料理すること。ダメージのある部分は、ニワトリやウサギが大喜びで食べてくれるからゴミにならない。どうしても食べられないオレンジやバナナの皮はコンポストに入れると土に還っていく。そういう自分にとって気持ちのいい暮らしすべてが私を癒してくれて、どんどん満たされて幸せを感じられる。傷ついている自分がどんどん更新されて、変わっていけるんです。本を書けるようになったり、自分を取り繕わず、誰に何を言われても『自分の生き方を貫けばいい』って思えるようになって。自分が本当にやりたいこと、価値を感じること、幸せになれることに対して正直になれる。傷が癒えていくというか……全然違う自分になっていくように」
“包み隠さない私”を書き留めたエッセイを出版したことで、心無い言葉に触れることもあった。しかし、勇気を出して自分と向き合った彼女の姿に力をもらう読者もたくさんいるはずだ。
「いじわるな気持ちはこの世にひとつもいらないよね。みんなとぶっちゃけて話し合って、優しい気持ちで人とつながっていきたいですね」
その気持ちは、環境問題について悩みながらも意見を発信したり、自身が納得できるものをとことん追求しながら手がけるオーガニックコスメブランドなど、彼女の行動のひとつひとつに表れている。自分と、世界と真っ直ぐに向き合う彼女の発信やプロダクトから今後も目が離せない。
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Photo: SEDRIC DIADOURIAN Styling: KEIKO MIYAZAWA Hair: SHUCO Make: SADA ITO
編集者として多くのメディアに携わったのち現職。健康オタク歴20年、趣味は"毒出し"で、体と心と部屋を効率よく整え、環境にもいい健康法を探るのがライフワーク。チアリーダー経験あり、勝手に人を応援しがち。仕事では「心から推せるものしか紹介したくない!」と目を血走らせ、常に情熱大陸に上陸中。
Instagram: @editor_kanna_purico
からの記事と詳細 ( 娘が勝手に宿題する。吉川ひなの流・3つの「しない」子育てルール - Women’s Health Japan )
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