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Saturday, May 9, 2020

「虫けら」の‟けら”ってなに?土の中から響く不思議な音色の正体は…(tenki.jpサプリ 2020年05月09日) - 日本気象協会 tenki.jp - tenki.jp

ケラは、ショベルカー型の前肢で力強く土を掘り進み、ミミズやセミ・コガネムシなどの幼虫、ダニや生物の死骸、草の根や葉、種子や実など、ありとあらゆる有機物を旺盛に摂食する大食漢です。
湿った土の中での生活が一生のほとんど全てを占めますが、実は「五能の虫」といわれる万能運動選手。普段は背中の真ん中にコンパクトに畳まれている後翅は、実は広げると大きく、この翅で空を飛びまわることも出来ます。
地上に出て移動することもあり、その際には短めの肢でそれなりに早足で走ることが出来ます。
また、全身の毛で水をはじくため容易に水に浮き、大きな前脚をオールにして、全身をくねらせて巧みに泳ぎます。
さらには、垂直の壁や樹木を這い登ることも可能で、「掘る・飛ぶ・走る・泳ぐ・登る」という水陸空地中、全てで活動可能な全能の昆虫とされているのです。

これに「跳ぶ・鳴く」を加えて「螻蛄(おけら)の七つ芸」「螻蛄芸」「螻蛄才」という成語もあります。ほめているようですが、どんなこともそれなりにこなすがどれも中途半端でたいして役に立たない器用貧乏な奴、という、あまりよくない喩えとして使われるものです。『和漢三才図会』(寺島良安 1712年)の「中之巻 巻五十三 化生虫」の「螻蛄」の項目に、

此蟲有五能而不成一 技其五能能飛不能過屋能𦂁不能窮木能游不能度谷能穴不能掩身能走不能免人

とあり、「この虫は五つの能力があるがどれもまともな技能ではない」と辛らつに貶めています。しかし、「土を掘る」ということにおいてケラに匹敵する昆虫はなく、能力を貶めすぎのような気がします。
ケラが土を掘り進めるスピードは20cm/秒ほどといわれ、体長3cm程度のケラの体格を身長170cmの人間として換算すれば、1分間に12mの土を掘り進めるという驚異的なスピードです。12mのトンネルを1分で掘るなんて、重機を使っても不可能ですよね。
さらに、Uターン出来ないほど狭い隙間を通過中に、向かいから危険が迫っても、ケラは体を反転させずにそのまま猛スピードでバック出来るという特技も持っています。ケラが貶められるのは、ユーモラスな外見や、カマキリや甲虫類のように強靭な武器や堅い殻を持たないため、何となく「だめなやつ」というイメージをもたれてきたせいかもしれません。
しかし、それほどダメなやつが、日本全土のさまざまな風土でニッチ(生態的地位)を獲得し、繁殖し続けることが出来るでしょうか。武器らしい武器も持たない弱いケラに、空、水場、起伏のある陸地などを自由に移動する高い能力・適応力があったからこそではないでしょうか。
しかし、そんな五能のケラ、最大の弱点は乾燥で、水分が少ない環境におかれると、一日で衰弱して死んでしまうといわれています。

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May 09, 2020 at 03:07PM
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