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Monday, August 31, 2020

「心臓ぉ、動けえええ」あまりにシュールでフリーダムな義母のリアクションに、泣き笑い(なかまぁる) - Yahoo!ニュース

病室に入ったとき、義父はもう目を閉じていました。 口をパカーンと開けて居眠りする姿は、これまでに何度も目にしています。でも、いつもと違うのは、ベッドの傍らにある機械からアラーム音が鳴り続けていることです。これって、ドラマでよく見る血圧や脈拍、呼吸がゼロになったことを示すアレですよね。 どうしたらいいかわからず、夫婦ふたりで棒立ちになっていると、主治医の先生がやってきました。 「おわかりだと思いますが、お父さんの心臓はもう動いてません。息もされていません」 ですよね……。うなだれるわたしたちに、医師は不思議な質問をします。 「どうされますか?」 「……と、言いますと?」 なにを問われているのかわからず、ぼんやりするわたし。すかさず質問を投げかける夫が頼もしく見えます。「立派に孝行息子になられて……」と、誰目線なのかもよくわからないまま、感心していました。 「ほかのご家族は何時ぐらいに到着されますか? ご存じかと思いますが、人はお亡くなりになって少し経つと、死後硬直といって体が硬くなります。そうなるとお着替えなどが難しくなります。ただ、あともう少しであれば、ほかのご家族が到着されるのを待つこともできます。こういったことは、とても大切ですから」

アラームが鳴り響く病室で、義母の到着を待つ

義母が暮らす有料老人ホームは、病院からさほど離れておらず、あと10~15分ほどで到着することがわかっていました。隣県から病院に向かっている義姉はもう少し時間がかかりそうです。しかし、予定通りに来られれば、医師が言う“ギリギリ間に合う時間”に収まりそうでした。 「家族が揃うまで待っていただけるとありがたいです」 「わかりました。いまのうちに、おとうさまの手を握って差し上げてください。まだ、温かいですから」 そう言うと、医師は病室を出て行きました。アラーム鳴りっぱなしだけど、これはこのまま放置しておいていいもの? なにしろ初めて直面するシチュエーションなので戸惑うばかり。なにをどうしたらいいのかよくわかりません。 医師が病室を出て行くのと入れ替わりに、看護師さんがやってきました。 「点滴やチューブなどを外し、お着替えを始めてよろしいでしょうか?」 「いえ、先生から『ほかの家族が来るまで待ちましょう』ということで伺ってますが……」 「時間が経つと、お体が固くなってしまうんです。ご長男さんですよね? 息子さんがご希望されているということであれば、すぐにでもお着替えを始められますので……」 「家族が到着するのを待ちたいです」 「わかりました」 夫と看護師さんのやりとりを聞きながら、頭の中はクエスチョンでいっぱいです。医師は可能な限り待つと言ってくれたけど、看護師さんはさっさとエンゼルケア(亡くなった後の処置)に入りたいってこと……? というか、いまのこの時間はどういう状況なのか……。 さらに、「葬儀屋さんは決まってますか。いつ来ますか?」という質問もありました。いや、連絡しようと考えている葬儀屋さんはあるけど、いきなり「いつ来ますか」と聞かれても……。義父が病院を出発する準備が終わるまで、どれぐらい時間がかかるものなのか、こっちが教えてほしいぐらいですってば!

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