「何か資格をとりたいけど、何を目指せばいいんだろう?」
「どんな資格をとれば、仕事やキャリアアップに役立つんだろう?」
悩めるビジネスパーソンのため、キャリアアップに役立ちそうな18種類の資格・検定と、効率的な勉強法をご紹介します。「何か資格をとりたいなぁ」とお考えなら、ぜひ参考にしてみてください。
※情報は2022年8月時点のものです
何か資格をとりたい……選ぶ基準は?
「何か資格をとりたい」と思っても、世のなかに資格や検定が多すぎて、何に挑戦するべきかわからないかもしれませんね。どの資格に挑戦するか考えるときは、以下の基準を意識してみてください。
いまの仕事に関連しているか
基本的には、普段の業務に必要だったり作業を効率化できたりと、いまの仕事に関連する資格を目指しましょう。経理部で働いているなら、「簿記」や「会計士」がいいですね。
仕事で使うソフトに関する資格もおすすめ。WordやExcelなら、「マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)」「日商PC」が有名です。
何から手をつければいいかわからないなら、会社が推奨している資格はいかがでしょう。資格手当のある会社なら、資格をとるだけで一時金がもらえたり、毎月の給与が増えたりします。
可能性を広げられるか
もっている資格がひとつでもあれば、新しい資格と組み合わせると、可能性が大きく広がりますよ。
800個以上の資格をもつ、資格・勉強法アドバイザーの鈴木秀明氏は、「さほど珍しくない資格でも、かけ合わせることでスキルやプロフィールの独自性・希少性を生み出せる」と語ります。10人に1人がもつ資格でも、4つあれば「10×10×10×10」で10,000人に1人の希少性です。
「これからの時代に強い資格の組み合わせ」の例として、鈴木氏はこちらを挙げています。
- 語学×○○
- IT×○○
- 健康×○○
どの資格をとるか迷ったら、この3分野から選んでみては?
メリットが大きいか
どの資格に挑戦するか迷ったら、取得のメリットを考えてみましょう。
年収が増えたり希望の仕事につけたりするなら、その資格を取得するメリットは大きいですね。一方、取得のメリットを想像しにくいなら、本当にその資格を目指すか再考の余地があります。
あなたが保険の営業をしており、「いまの仕事に活かせる資格をとろうかな」と考えているなら、このような感じでしょうか。
【メリットが見込める資格の例】
- 営業士
- ファイナンシャル・プランニング技能士
【メリットが見込みにくい資格の例】
- ウェブ解析士
- アロマテラピー検定
必要な勉強時間や費用も、資格によって異なります。時間的・経済的コストがメリットに釣り合うかも検討しましょう。
ほかのメリットがあるか
鈴木氏によると、資格の取得には6つの効果があるそう。その一部は以下のとおりです。
- 自分の知識・能力を客観的に示せる
- 合格者が参加する団体やセミナーで人脈をつくれる
- 学んだ内容がいつか人生に役立つ
- 自信がつく
「何か資格をとりたいけど、どうしようかな」と悩んだら、このようなメリットがあるかどうかで判断してはいかがでしょうか。
何か資格をとりたい……どの資格がおすすめ?
いよいよ、ビジネスパーソンにおすすめの資格を具体的に紹介します。「何か資格をとりたいな」と考えているなら、ここから選んでみては?
マイクロソフト オフィス スペシャリスト
◆こんな人におすすめ
- 仕事でMicrosoft Officeや類似のソフトを使っている
- 事務作業の効率を上げたい
◆受験料
10,780~12,980円
「マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)」は、ExcelやWordといったMicrosoft Officeのソフトのスキルを証明できる資格です。
「Excel・Word・PowerPointの機能をひととおり把握したい」「各ソフトの便利な機能を知り、仕事を効率化したい」と思っているなら、ぜひ挑戦してみてください。勉強の成果をすぐに仕事で活かせるため、「勉強してよかったな」と実感を得やすいはずです。
日商PC
◆こんな人におすすめ
- 仕事でMicrosoft Officeや類似のソフトを使っている
- 事務のスキルを高めたい
◆受験料
4,200〜10,480円
「日商PC」は、PCでの業務遂行能力を測る検定試験です。資料を適切につくれるか、データを処理できるか、などが問われます。
MOSはソフトの操作方法を扱う一方、日商PCではビジネスの現場で必要な知識も問われるのが特徴です。日商PCには3種類あり、それぞれ複数の級に分かれています。
- 文書作成:Wordを活用し、ビジネス文書を正しく作成・取り扱いできるか
- データ活用:Excelを活用し、データ分析や資料の作成が的確にできるか
- プレゼン資料作成:PowerPointを活用し、適切でわかりやすい資料をつくれるか
日商簿記
◆こんな人におすすめ
- 経理の仕事をしている
- 経理や会計士にキャリアチェンジしたい
- 経営の仕組みを理解したい
◆受験料
2,200〜7,850円
経理や会計に携わっている人、携わりたい人には「日商簿記」がおすすめです。
日商簿記検定を運営する日本商工会議所によると、簿記とは「日々の経営活動を記録・計算・整理して、経営成績と財政状態を明らかにする技能」。簡単に言えば、会社に出入りするお金の計算や記録をするスキルです。
つまり簿記は、業種や業態を問わず、すべての企業で必要とされる技能なんですね。
ただ、「簿記はAIに代替され、いずれは消滅する仕事」と聞いた経験があるかもしれません。簿記検定や公務員試験の講師を務める岩崎郁人氏も、資料の作成や数値の解析しかできなければ、簿記の資格があってもAIに負けてしまうと予測しています。
しかし岩崎氏は、会計や事務の職種がなくなるとは考えていないそう。AIにはできず、人間にしかできない役割も多いからです。
たとえば……
- データの意味を、相手が納得できるように説明する
- 申請された経費の正当性を判断する
- 経営者の方針に合わせ柔軟に対応する
簿記の検定には、ご紹介した「日商簿記」以外にも多くの種類があります。
- 簿記実務検定(全商簿記)
- 農業簿記検定
- 建設業経理検定 ……
あなたが目指すキャリアや業界に応じて、どれに挑戦するかご検討ください。
営業士
◆こんな人におすすめ
- 営業の仕事をしている
- 営業スキルを証明したい
◆受験料
8,800〜13,200円
「営業士」は、マーケティング・セールスのスキルを証明する資格です。試験内容には以下が含まれています。
営業士には3つの級があります。
- 初級:営業の基礎知識全般を理解している
- 上級:営業やマーケティングの応用知識を習得している。中堅幹部クラスが対象
- マスター:経営や営業事業評価の実践知識を習得している。幹部クラスが対象
マーケティング・ビジネス実務検定
◆こんな人におすすめ
- マーケティング部門で働いている
- マーケティングに興味がある
- マーケティングのスキルを証明したい
◆受験料
6,270〜12,760円
2005年に始まった「マーケティング・ビジネス実務検定」は、マーケティングに特化した試験です。3つの級に分かれています。
- C級:定型業務ができる
- B級:業務の運営ができる
- A級:戦略立案や意思決定ができる
ネットマーケティング検定
◆こんな人におすすめ
- マーケティングや広報の仕事をしている
- 会社のWebサイトやSNSアカウントを担当している
◆受験料
6,000円
「ネットマーケティング検定」は、インターネットを活用したマーケティングの知識を測る試験です。以下の内容を含む、40の選択問題で構成されています。
- Webメディアとマスメディアの関係
- リサーチと分析の手法
- 検索エンジン対策
- インターネット広告
ウェブ解析士
◆こんな人におすすめ
- Webマーケティングの仕事をしている
- 会社のWebサイトやSNSアカウントを担当している
- Web関連の業界や職種に転職したい
◆受験料
17,600〜440,000円
「ウェブ解析士」は、WebサイトやSNSに関するデータの解析・活用スキルを証明する資格です。ウェブ解析士の資格を取得できるレベルなら、以下のような分析ができます。
- SNSでの投稿が事業にどう影響しているか
- Webサイトではどのページがよく読まれているか
- 出稿中のWeb広告がどのような成果を生んでいるか
Webマーケティング戦略の立案や改善に欠かせない「データ分析」ができるのが、ウェブ解析士なんです。ウェブ解析士には3つのレベルがあります。
- ウェブ解析士:データを読み取り、正しく判断できる
- 上級ウェブ解析士:データに基づいたコンサルティングができる
- ウェブ解析士マスター:ウェブ解析士・上級ウェブ解析士に指導できる
レベルごとに講座が用意されています。初級の「ウェブ解析士」の場合、テキストでの予習が前提とはいえ、受講時間は約5時間です。
勉強時間が短めなので、Web担当者やマーケターは気軽に挑戦してはいかがでしょうか。
TOEIC Listening & Reading Test
◆こんな人におすすめ
- 英語力を証明したい
- ビジネスで英語を使いたい
- 英語圏に就職・留学したい
◆受験料
7,810円
経済学者のカイ・L・チャン博士が2016年に発表した「影響力の強い言語ランキング(2050年)」をご紹介します。「地理」「経済」など5つの指標に基づいて、各言語の将来的な影響力を推計したランキングです。
- 英語
- 中国語
- スペイン語
- フランス語
- アラビア語
- ロシア語
- ドイツ語
- ポルトガル語
- ヒンディー語
- 日本語
ランキング上位の言語は、習得する価値が特に高いと考えられますね。1位は、やはり英語です。
英語の実力を測るテストといえば、「TOEIC(Test of English for International Communication、国際コミュニケーション英語能力テスト)」。日常生活やオフィスでの英語コミュニケーション能力を証明できる、国際的なテストです。
TOEICにはいくつか種類があり、日本でよく使われるのが「TOEIC Listening & Reading Test」。リスニングとリーディングが100問ずつあります。
TOEIC L&Rのスコアは10〜990点の5点刻みで、A~Eに分けられます。TOEICを運営する国際ビジネスコミュニケーション協会によると、企業が新入社員に期待するスコアは425~645点です。
E(10~215):コミュニケーションをとれない
D(220~465):最低限のコミュニケーションをとれる
C(470~725):限定された範囲でコミュニケーションをとれる
B(730~855):どんな状況でもコミュニケーションをとれる素地がある
A(860~990):十分なコミュニケーションをとれる
漢語水平考試
◆こんな人におすすめ
- 中国語力を証明したい
- ビジネスで中国語を使いたい
- 中国に就職・留学したい
◆受験料
3,740〜9,790円
「影響力の強い言語ランキング(2050年)」の第2位は中国語です。ビジネスでも国際政治でも、中国はどんどん勢力を拡大していますよね。
2022年時点では世界最多の人口を誇ってもいます。そのぶん、中国語の話者も非常に多いわけです。
中国語の学習には、大きなメリットがありそうですね。
中国語の試験としては、「漢語水平考試(HSK)」が代表的です。中国語の試験では受験者数が世界最多で、留学の基準として中国政府が採用しています。
日本国内では「中国語検定」でも通用しますが、中国語の能力を海外で証明したいならHSKを受験しましょう。HSKには6つの級があり、最も簡単なのが1級です。
1級:語彙は150語程度。非常に簡単な単語・フレーズを使える
2級:語彙は300語程度。簡単な日常会話ができる
3級:語彙は600語程度。生活・学習・仕事などで基本的なコミュニケーションができる
4級:語彙は1,200語程度。広範囲の話題で会話ができる
5級:語彙は2,500語程度。新聞・雑誌を読んだり、テレビ・映画を鑑賞したりできる
6級:語彙は5,000語以上。自分の意見を流暢に表現できる
DELEスペイン語検定
◆こんな人におすすめ
- スペイン語力を証明したい
- ビジネスでスペイン語を使いたい
- スペイン語圏に就職・留学したい
◆受験料
10,800〜22,000円
「影響力の強い言語ランキング(2050年)」の第3位はスペイン語です。スペインの言語や文化の普及を目的とした公的機関「インスティトゥト・セルバンテス」が2021年に発表したところによると、スペイン語は21か国の公用語で、5億9,100万人以上の話者を誇ります。
母語話者は約4億9,300万人で、中国に次ぐ第2位です。グローバル・ビジネスにおけるスペイン語の重要性はかなり高そうですね。
スペイン語の試験では「DELEスペイン語検定」がおすすめ。スぺインの教育・職業訓練省のもとで実施されています。
実用的なスペイン語を身につけたいなら、DELEを目標に勉強しましょう。試験はA1~C2の6段階に分かれています。
A1:個人情報や日常生活に関して、ゆっくりとやり取りできる
A2:簡単な日常的テーマについて理解・対応できる
B1:学習・仕事に関する既知の内容を理解できる
B2:複雑な内容や抽象的テーマを理解できる
C1:幅広いテーマで流暢かつ臨機応変に考えを表現できる
C2:学問やビジネスでも、ニュアンスに応じて言葉を使い分けられる
ITパスポート
◆こんな人におすすめ
- パソコンやインターネットを使う全ビジネスパーソン
- IT系の部署・会社で働いている
- ITリテラシーを高めたい
◆受験料
7,500円
現代において、パソコンやインターネットが象徴するITの利活用は必須です。業界を問わず、すべてのビジネスパーソンが最低限のITスキルを押さえておくべきでしょう。
「ITパスポート(iパス)」は、一般の社会人・学生を対象にした、ITに関する基礎知識を問う国家試験です。3つの分野から出題されます。
- ストラテジ系(法務、経営戦略など)
- マネジメント系(プロジェクトマネジメントなど)
- テクノロジ系(基礎理論、セキュリティなど)
ITパスポートに向けて勉強すれば、ビジネスパーソンとして最低限のITリテラシーが身につくはず。パソコンやインターネットに疎い自覚があるなら、ぜひ挑戦してはいかがでしょうか。
基本情報技術者
◆こんな人におすすめ
- エンジニアにキャリアチェンジしたい
- ITを本格的に学びたい
- 自分の専門以外のIT分野を学びたい
◆受験料
7,500円
「基本情報技術者」は、「ITエンジニアの登竜門」という位置づけの試験。「ITパスポート」より専門的な内容です。
以下をはじめとする内容が出題されます。
- 応用数学
- プログラム言語論
- 開発ツール
情報セキュリティマネジメント
◆こんな人におすすめ
- パソコンやインターネットを使う全ビジネスパーソン
- IT系の部署・会社で働いている
- ITリテラシーを高めたい
◆受験料
7,500円
「情報セキュリティマネジメント」は、サイバー攻撃や情報漏洩のリスクから組織を守るスキルを認定する試験です。勉強を通じて、業務で扱う情報を適切に管理するスキルを身につけられます。
情報セキュリティマネジメント試験では、以下をはじめとする内容が出題されます。
- サイバー攻撃の手法
- リスクの分析と評価
- セキュリティ対策
- 知的財産権
- ITガバナンス
G検定
◆こんな人におすすめ
- AIの仕組みを理解したい
- ビジネスでAIを使いたい
- AI関連にキャリアチェンジしたい
◆受験料
13,200円
「G検定(ジェネラリスト検定)」は、AIの学習手法「ディープラーニング」の知識を測る試験です。G検定に向けて勉強すれば、AIの基礎知識を網羅できますよ。
G検定では、以下をはじめとする内容が出題されます。
- AIの定義
- AIに関する動向
- 機械学習の手法
- ディープラーニングの概要
ファイナンシャル・プランニング技能士
◆こんな人におすすめ
- 金融業界で働きたい
- お金の知識を身につけたい
◆受験料
8,000〜20,000円
「ファイナンシャル・プランニング技能士」は、ファイナンシャル・プランニングの専門家を名乗れる国家資格です。「ファイナンシャル・プランニング技能検定(FP技能検定)」に合格すると取得できます。
ファイナンシャル・プランニングとは、相談者の夢や目標を叶えるため、資金計画を立ててアドバイスする行為です。年金や住宅ローンなど、家計に関する幅広い知識を要します。
ファイナンシャル・プランニングは、資産に関する顧客への説明・アドバイスに役立つため、以下のような勤め先でも活かせます。
- 証券会社
- 不動産会社
- 保険代理店
- 銀行
前出の鈴木氏は、ファイナンシャル・プランニングに関する資格について「コストパフォーマンスはかなり高い」と指摘しています。専門知識のない初心者でも学習しやすい一方、幅広いフィールドで活かせるためです。
もちろん、あなた自身の家計管理や人生設計にも役立ちますよ。
FP技能検定には3~1級があります。学科試験と実務試験があり、実務試験では「資産設計提案」や「個人資産相談」を行ないます。
中小企業診断士
◆こんな人におすすめ
- 経営の知識を身につけたい
- キャリアアップしたい
- 経営コンサルタントになりたい
◆受験料
1次試験:14,500円
2次試験:17,800円
「中小企業診断士」は、中小企業の課題について診断・助言するスペシャリストです。経営コンサルタントとしての能力を証明する国家資格で、“日本版MBA” とも呼ばれます。
「資格の学校TAC」によれば、中小企業診断士の勉強を通じ、「経営資源を横断的に見る力」が身につくそう。経営資源とは次の6つです。
- 従業員
- 製品や設備
- 資金
- 情報
- 法律
- 景気や時代の変化
経営コンサルタントになる予定はなくても、全般的な経営知識の学習は、全ビジネスパーソンにとって有益ですよね。キャリアアップしたいなら特に、中小企業診断士としての知識や肩書が大きなプラスになりそうです。
「TAC」はこんな合格体験を紹介しています。
その受験者は長年、IT企業のSEとしてシステム開発を担当。「ずっとこの仕事を続けるのか」と危機感を覚え、中小企業診断士に合格してキャリアチェンジしようと考えたそうです。
合格後は診断士としての実績を積み、転職活動を開始。「会社の経営を支え、全体を俯瞰できる人材として診断士のスキルを発揮してほしい」と期待され、ITスキルをベースにした希望の仕事につけたそうですよ。
あなたも、いまのスキルに中小企業診断士をプラスすれば、キャリアアップできるかもしれませんね。
宅地建物取引士
◆こんな人におすすめ
- 不動産業界で働きたい
- 宅地や建物に関わる仕事をしたい
◆受験料
8,200円
「宅地建物取引士(宅建士)」は、宅地・建物のやり取りに必要な国家資格です。
宅建業者は、一定以上の宅建士を配置するよう法律で定められています。「重要事項の説明」や「契約書への記名」は、宅建士だけが行なえる業務です。
不動産の取引があるかぎり、宅建士は常に必要とされる資格なのです。不動産業界で働きたいなら、宅建士を取得しておきましょう。
「総合資格学院」によると、宅建士は次のような場面でも役立つそうです。
- 金融機関で働く
- 家を建てる/買う/借りる
- オフィスを借りて起業する
銀行業務検定
◆こんな人におすすめ
- 金融機関で働いている
- 経理や財務の仕事をしている
- 起業したい
- 融資の仕組みを学びたい
◆受験料
4,950~9,900円
「銀行業務検定」は、金融機関での業務に必要な能力を測る試験です。銀行や保険会社で働いていたり、転職を検討していたりするなら、銀行業務検定の勉強がおすすめです。
前出の鈴木氏は、独立を考えている人にも銀行業務検定をすすめています。経営者として銀行から融資を受けるとき、「銀行の手の内」を知っておくのが有効だからです。
銀行業務検定は、23系統37種目に分かれています。鈴木氏が特にすすめるのは次の3つです。
- 法人融資渉外3級
- 事業性評価3級
- 融資管理3級
「銀行からお金を借りるとき、企業のどこを見られるのか」「支払いが滞ったらどうなるか」といったノウハウが学べるそうですよ。
独立・起業に向けて何か資格をとりたいと考えているなら、銀行業務検定も選択肢に入れてみてください。
何か資格をとりたい……どうやって勉強する?
何か資格をとりたいけれど、どう勉強すればいいかわからない――そうお悩みのあなたは、3つのポイントを押さえて勉強を進めましょう。
1. 問題集をやる
宅地建物取引士やファイナンシャル・プランニング技能士の資格をもち、勉強法に関する書籍を著した棚田健大郎氏によると、資格の勉強は参考書ではなく問題集をメインにするべきだそう。
資格対策の目的は、試験本番で問題を解けるようにすることですよね。そのためには、本番と同じ形式の問題をたくさん解いてトレーニングする必要があります。
参考書の内容をマスターできても、その知識がどのように問われるのかわからなければ、対策として不十分です。
テレビゲームでも、説明書の内容をすべて理解してから遊び始める人は少ないはず。まずはゲームを始め、わからない部分が出てきたら説明書を見ますよね。
資格対策の勉強も同じようにしましょう。
- 問題を解いてみる
- 必要になったら参考書を読む
の流れで勉強するのがおすすめです。
2. 学習内容をアウトプットする
勉強した内容を記憶に残すには、アウトプットを繰り返しましょう。脳研究者の池谷裕二氏によると、脳は「出力」が多い情報を重要だと判断し、記憶に残しやすいそうです。
勉強には、知識を頭に入れる「インプット」のイメージが強いかもしれません。しかし脳科学的には、知識を思い出す「アウトプット」のほうが重要なのですね。
◆学んだ内容をアウトプットする方法
- 問題集を解く
- 小テストをやる
- 赤シートで重要な箇所を隠し、思い出す
- 単語カードを見て、意味を思い出す
覚えたい内容は、このような方法でアウトプットを繰り返しましょう。
3. 復習を繰り返す
一度は覚えたはずなのに、見返したときにはほとんど忘れている……。そんなことが多いなら、復習の回数が少ないのかもしれません。
たった1回で覚えるのは、天才でないかぎり不可能です。情報を記憶として定着させるには、適度な間隔を空けて何度も復習しましょう。
前出の池谷氏によれば、復習は最低でも1か月以内にすべきだそう。
思い出せないけれど脳に残っている「無意識な記憶」は、1か月ほど保存されるためです。「無意識な記憶」が残っているうちに復習すれば、記憶が強固になります。
池谷氏は、次の復習スケジュールを「脳科学的に最も効率的」と考えているそうです。
- 最初の学習の翌日
- 「1」の1週間後
- 「2」の2週間後
- 「3」の1か月後
何か資格をとりたいと考えているなら、このペースを参考に学習計画を立て、最小の労力で合格を勝ち取りましょう。
***
「何か資格をとりたい」とお考えなら、ご紹介した資格や勉強法を参考に、挑戦してみてくださいね。
(参考)
マナトピ|700個以上の資格を持つプロに聞いた!これからの時代に強い「資格の組み合わせ」のヒント!
ダイヤモンド・オンライン|「760以上の資格」を持つ専門家が教える、最も魅力的な2つの資格とは
MOS公式サイト|試験概要
商工会議所の検定試験|日商PC(プレゼン資料作成)
商工会議所の検定試験|簿記とは
簿記net|AI(人工知能)に負ける簿記ホルダーと勝てる簿記ホルダーの違いとは?
現代ビジネス|日本中の会社で経理不足…実はいま「簿記3級」が驚くほど価値を持つ
日本営業士会公式サイト|営業士検定とは
商工会議所の検定試験|販売士とは
マーケティング・ビジネス実務検定(R)|各級の詳細
ネットマーケティング検定|ネットマーケティング検定とは
アイクラウドウェブ解析サービス|ウェブ解析士認定講座
ウェブ解析士協会|ウェブ解析士マスターとは
Kai L. Chan|POWER LANGUAGE INDEX
IIBC|TOEIC Programとは
IIBC|【活用事例】新入社員の英語能力測定
HSK|HSKとは
HSK|受験料と時間
Centro Virtual Cervantes|El español: una lengua viva, Informe de 2021
インスティトゥト・セルバンテス東京|DELEスペイン語検定について
ITパスポート試験|iパスとは
ITパスポート試験|試験内容・出題範囲
IPA 独立行政法人 情報処理推進機構|基本情報技術者試験
IPA 独立行政法人 情報処理推進機構|試験要綱Ver.5.0
情報セキュリティマネジメント試験|情報セキュリティマネジメント試験とは
一般社団法人日本ディープラーニング協会|G検定とは
日本FP協会|FP技能検定とは
日本FP協会|ファイナンシャル・プランナー(FP)とは
日本FP協会|FPの活躍フィールド
日本FP協会|低成長時代を生き抜くノウハウビジネスの幅を広げるAFP資格
J-SMECA 中小企業診断協会|中小企業診断士ってなに?
資格の学校TAC|中小企業診断士の3大メリット
資格の学校TAC|将来の選択肢|現在の勤務先で活かす| 大久津 勇人 さん
一般財団法人 不動産適正取引推進機構|宅建試験の概要
月刊不動産|宅建業法~専任の宅建士の設置義務~
資格Times|宅建士になると出来ること8選!資格の使い道や持っていると役立つシーンを解説!
総合資格学院|宅建 取得のメリットを知ろう
銀行業務検定協会|検定試験要項
ダイヤモンド・オンライン|資格試験の勉強法「過去問メインで、参考書は辞書代わり」
プレジデントオンライン|「復習4回」で脳をダマすことができる
【ライタープロフィール】
佐藤舜
大学で哲学を専攻し、人文科学系の読書経験が豊富。特に心理学や脳科学分野での執筆を得意としており、200本以上の執筆実績をもつ。幅広いリサーチ経験から記憶術・文章術のノウハウを獲得。「読者の知的好奇心を刺激できるライター」をモットーに、教養を広げるよう努めている。
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