先日ラウンドしたゴルフ場はエアレーション作業中で、グリーンのあちこちに穴ボコが開いていました。
エアレーション作業は春先に行なう印象がありますが、ゴルフ場によって秋口にも行なうと聞いたことがありましたので、「このゴルフ場は秋にもエアレーション作業を行なっているんだな」と思いながらプレーしていました。
すると同伴者から「前から気になっていたんですけど、グリーンにこういう穴ボコが開いているのって、なんでですか?」と質問されました。
「これはエアレーションといって、グリーンに穴を開けて土を取り除くことでゴルファーに踏み固められた土壌を軟らかくし、芝生の根っこが成長するためのスペースを確保して芝生の成長を促進するためのメンテナンス作業です」と説明しました。
同伴者3人はいずれもコロナ禍でゴルフを始めた人たちでしたが、今までそんな説明をしてもらったことがなかったと感心されました。
でも、これって本来、エアレーション作業を行なっているゴルフ場が利用者に伝えるべきことだと思います。
筆者がゴルフを始めたのはキャディーつきプレーが主流の時代でしたから、エアレーション作業中のゴルフ場に行くと、キャディーさんがスタート前に必ずそのことを伝えていました。
「お客様、申し訳ございません。本日はエアレーション作業中でして、グリーンに穴が開いていてボールの転がりがよくないですが、芝生の育成のために必要な作業ですのでご了承ください」といった説明をしていました。そのときに「エアレーションって何ですか?」と質問すれば丁寧に教えてくれました。
ところがセルフプレーが主流になると、多くのゴルフ場がこの説明を省略するようになりました。中にはクラブハウス内の掲示板やホームページでエアレーションについて説明している施設もありますが、口頭での説明を行なっていた時代と比べて明らかに説明不足だと感じます。
世間一般で芝生の育成にエアレーション作業が必要だということを知識として知っている人はそれほど多くありません。大半の人はエアレーションという単語すら知りません。
ゴルフ場関係者と話をしていると、コースの中で最も繊細に管理しているのはグリーンだと口をそろえます。
グリーンにキズがついているのを見つけると、自分のキズを傷つけられたかのように悲しい気持ちになると表現したコース管理スタッフの方もいました。
ゴルフ場が近年、セルフスタンドバッグの使用を禁止するようになったのも、グリーンの保護が一番の理由です。スタンドバッグをグリーン上に持ち込み、スタンドの脚でグリーンの表面にキズをつける事例が続出したため、禁止せざるを得なくなったのです。
それほどまでキズつけてほしくない“ゴルフ場の顔”を、なぜゴルフ場自身がキズつけるのか(穴を開けるのか)利用者に伝えていないのですから、利用者がグリーンを大事に扱わなくなるのも仕方がない気がします。
筆者がゴルフを始めたころは、職場の上司や先輩に誘われてコースデビューするのが一般的でしたから、そのときに「クラブを3本持って走れ」、「でもグリーン上は走るな」、「歩くときもシューズでキズをつけないように気をつけること」、「ピッチマークをつけたらグリーンフォークとパターヘッドで平らに直すこと」などを教わっていました。
でも今は、上司や先輩に誘われてコースデビューする人は少なくなっていますし、セルフプレーが主流なのでゴルフ場の使い方を教えてくれる人が誰もいません。
ゴルフ場の作業内容や使用方法を利用者に伝えるのはゴルフ場の仕事です。その仕事をおろそかにすると、ゴルフ場という施設への理解度がいつまでも深まらないのではないかと心配しています。
からの記事と詳細 ( キズ付けちゃいけない場所が悲惨な状態に… グリーン上に開いて ... - e!Golf(イーゴルフ) )
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