新連載「今日、なに着る？」では、スタイリストの飯垣祥太と稲垣友斗がそのシーズンにリリースされた最新のファッションアイテムを吟味し、月曜日から金曜日までの毎日、厳選した1点を紹介する。連載2週目は、バブアーやカルーゾなど、春先に使える個性的なジャケット＆コート5着をピックアップした。 バブアー×アンドワンダーのプルオーバー&ショーツ 都市生活に便利な機能やデザインを盛り込んだアウトドアウェアが相変わらず人気だ。なかでもリリースされるたびに話題となっているのが、英国の老舗アウターブランド、バブアーと日本発のアウトドアブランド、アンドワンダーのコラボレーションである。 バブアーの過去のアーカイブをベースにしたこのプルオーバーは、コーデュラ・リップストップを用いることによって、ヴィンテージよりもラフに着ることができる。ポケットなどのディテールはそのままに、夜間の視認性を高めるためのリフレクタープリント素材やリフレクターステッチがアクセントとして効いている。スポーティさと英国の上品さがいい感じに混ざり合い、都会的なルックスに仕上がった。これからのシーズンは、共地のショーツと合わせてセットアップで楽しんでほしい。 カルーゾのジャケット “日常に寄り添う服”が洋服選びの基準になりつつあるなか、テーラードジャケットの人気傾向も確実に変化している。タイドアップ向きのカッチリとしたタイプより、このカルーゾの新モデル「ELBA」のように一重で軽く、リラックス感のあるジャケットの売れ行きが好調だ。 3つのパッチポケットやラペルのダブルステッチなど、ワーク風のディテールがミックスされ、ほどよくカジュアルな雰囲気なのも◎。細すぎず、ゆったりしすぎないカルーゾ特有のシルエットでストレスを感じることもない。インナーやボトムスをゆるくしてラフに着こなすのがおすすめだ。 カラー展開は、ペールブルーのほか、春らしいグリーンとピンクの2色がある。 フジのジャケット 一昨年前からユーティリティベストのトレンドが浮上してきたが、フォーマルスタイルの流れが加速する今なら、こんなノースリーブのテーラードジャケットをベスト代わりに羽織るのも新鮮だ。芯地や肩パッドを強調した構築的な仕立てとダブルブレストで、マスキュリンな表情を引き立ててくれる。 素材にはひと目で高級感が伝わってくる上質なウールを使用。やや長めの丈で身幅に余裕を持たせたシルエットなので、ほどよいリラックス感もある。デザイナーのRYOTA FUJIMOTOいわく、先月GQで紹介したフジのコレクションを象徴する、フラワー・エンブロイダリーのシャツと合わせるためのアイテムだそうだ。彼が理想とするスタイリングを参考にして、インナーには個性的な柄シャツを覗かせたい。 アイム メンのコート 着心地がよく快適であること。そして、持ち運びに便利なこと。日常服に求めるそんなニーズに応えてくれるのが、三宅一生がリアリティ・ラボチームとともに2010年にスタートしたブランド「132 5．ISSEY MIYAKE」の研究開発から生まれた新ブランド「IM MEN」（アイム メン）だ。 フラットな仕立てが美しいコートは、着ていることを感じさせないほど軽量で、かつ、身体に馴染む。さらにパッカブル仕様に設計されているので、寒暖差が激しい季節の変わり目には非常にありがたい。植物性のポリエステルを配合したシワになりにくい素材が採用されているため、長時間折りたたんだ状態でも心配無用だ。 ワーダーのジャケット 家で過ごす時間が増えた今、洋服選びに「着心地」や「リラックス感」求められるようになってきた。そんなニーズにぴったりなのが、今シーズンよりスタートした新ブランド、ワーダーの服だ。 「末長く着られる服」をコンセプトにしたワーダーのアイテムは、無駄なものを削ぎ落としたデザインと、日常着としてプライスを気にせず着られる点が大きな特徴となっている。ややクセのあるチャイナジャケットも、フレンチワーク・スタイルをベースにアレンジすることで、シンプルかつすっきりしたデザインが実現した。 さらに、ポケットにも裏地をつけることで縫い代が当たらないようにするなど、細かいところまでストレスフリーな着心地にこだわっている。良心的なプライスの何倍もの満足度が得られる1枚だ。
からの記事と詳細 ( 一捻りのある春アウター5選【今日、なに着る？】（GQ JAPAN） - Yahoo!ニュース )
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