結婚や離婚、退職などをすると、公共料金などの名義変更や住所変更などを行います。これらの変更手続きは、加入している国民年金制度に対しても同様に行わなくてはいけません。 本記事では、年金の「種別変更」とは何か、詳しい手続き方法について解説します。国民年金の手続きで何かあったときのために、ぜひ参考にしてください。
年金の「種別変更」とは
国民年金には、第1号被保険者・第2号被保険者・第3号被保険者の3つの種別があります。 ●第1号被保険者:自営業・農業の人とその配偶者、無職や学生の人など ●第2号被保険者:会社員・公務員の人 ●第3号被保険者:第2号被保険者に扶養されている配偶者の人 結婚や離婚、退職などライフスタイルの変化にともない、種別が変われば国民年金の変更手続きが必要です。手続きが遅れると、ケースによっては国民年金保険料の納付ができずに「未納期間」が発生する恐れがあります。 ちなみに未納となった際に後から保険料を納付しようとしても、2年より前の期間については納付ができないため、早めに手続きを行いましょう。
年金の「種別変更」の手続き方法
この見出しでは、結婚・離婚・退職したときの年金の「種別変更」の手続き方法を紹介します。種別ごとの手続き方法を知っておけば、スムーズに対処できるでしょう。 ■結婚したときの手続き方法 結婚したときの手続き方法を4つのパターンに分けて紹介します。 ・結婚後も引き続き第1号被保険者である人 結婚後も種別が変わらない人は、原則として日本年金機構の手続きは必要ありません。ただし、市区町村の役場で氏名変更・住所変更手続きは必要です。保険料の納付書は、旧姓・旧住所のものでも引き続き納付できます。 ・結婚後も引き続き第2号被保険者である人 第2号被保険者の人が、結婚後も引き続き厚生年金保険に加入する場合は、勤務先で手続きを行います。勤務先に速やかに伝えて、手続きを取りましょう。 ・結婚後に第2号被保険者から第1号被保険者に変わる人 第2号被保険者の人が、結婚後に第1号被保険者に変わる場合は、第1号被保険者の変更手続きが必要です。市区町村の役場の保険年金業務担当窓口で手続きを行いましょう。 ・結婚後に配偶者の扶養に入る人(第3号被保険者) 結婚にともない、配偶者の扶養に入る人は、配偶者の勤務先で手続きを行います。ただし、退職してから結婚までに期間がある場合は、一度第1号被保険者の変更手続きが必要になるケースもあります。 種別変更の手続きは、どれも余裕をもって行いましょう。 ■離婚したときの手続き方法 離婚したときの手続き方法を3つのパターンに分けて紹介します。 ・第1号被保険者の人が離婚した場合 マイナンバーと基礎年金番号が結びついている被保険者であれば、原則として日本年金機構の手続きはありません。マイナンバーと基礎年金番号が結びついていない人やマイナンバーを持っていない海外移住者などは、変更届の提出が必要です。 ・第2号被保険者の人が離婚した場合 結婚のときと同様に、勤務先で手続きが行われます。速やかに問い合わせて、手続きを行いましょう。 ・第3号被保険者の人が離婚した場合 会社員の配偶者などで、第3号被保険者だった人は、市役所で第1号被保険者の種別変更手続きを行いましょう。扶養から外れた日か離婚日のどちらかで、早いほうの日付で第1号被保険者になります。 結婚したときと同様に、種別変更の手続きが発生したら速やかに行いましょう。 ■退職したときの手続き方法 会社を退職したら、14日以内に市区町村の国民年金窓口で手続きを行います。退職日が月末でない場合は、「退職する月の分から」第1号被保険者として保険料の納付が必要です。 退職により収入が下がってしまい、保険料の納付が難しい人は、「失業による国民年金保険料の特例免除制度」の申請をしてください。また、結婚による会社の退職で、配偶者の扶養に入る人(第3号被保険者)は、配偶者の勤務先で手続きが行われます。
種別変更の手続きは速やかに
結婚や離婚、退職などがあった場合は、速やかに種別変更の手続きを行いましょう。特に、第1号被保険者に種別変更する場合は、国民年金保険料の納付が必要になるため注意が必要です。 手続きを忘れたままにしていると、保険料が未納になり、将来もらえる年金額に影響するかもしれません。種別変更でわからないことがあれば、市区町村の役所や年金事務所に相談してみてください。 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 監修:新井智美 CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用) DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
ファイナンシャルフィールド編集部
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