テレビ静岡
ビジネス
静岡・川勝知事の最側近である3人の県の特別職3人の報酬がゼロとなり、自民が事実上退任を突きつけました。県の新年度予算案が議員側からの提案で修正され、可決されるのは過去に一度しかない異例の事態です。背景にはなにがあったのでしょうか、担当記者に聞きます。
◆非常勤特別職とは?
県政担当・入口鎌伍記者:
修正案を提出した自民改革会議が問題視したのが、県の非常勤特別職の在り方です。非常勤特別職は地方公務員法で「臨時または非常勤の顧問・参与・調査員・嘱託員及びこれらに準ずる者」と定義していて、人事課によると現在県には非常勤特別職の補佐官が5人在籍しています。
◆なぜ3人が報酬ゼロの対象に?
(Q.その内の特別補佐 戦略監など3人について報酬をゼロとする修正案が出されたわけですが、なぜこの3人だったのでしょうか)
県政担当・入口鎌伍記者:
まずは県の職員出身の篠原清志 特別補佐・戦略監と土屋 優行特別補佐官にですが、
先ほど紹介した非常勤特別職の定義については曖昧さが残るため、2020年に施行された改正地方公務員法で「専門的な知識・経験または識見を有する者が就く職であって、当該知識・経験または識見に基づき、助言、調査、診断、その他総務省令で定める事務を行うものに限る」という文言が付け加えられました。
このことを前提に自民改革会議側は2人の知識や経験などは“県の職員”として得られたものであり、そのOBの力なくして県政運営ができないとしたら大きな問題で、反対に“県職員としては得がたい専門的なもの”と認めてしまえば現役の職員を愚弄することになるとしています。
その上で2人の仕事内容は“助言”の範疇を大きく逸脱していると指摘しました。
(Q.一方、元外交官で地域外交に関するアドバイザーである東郷 和彦対外関係補佐官についてはどうでしょうか)
県政担当・入口鎌伍記者:
東郷補佐官については自民改革会議も法律の定める要件は満たしているとしています。ただそもそも、その職務自体が県民生活に直結しているのか必要性に乏しく、週に2日程度の勤務実態に対して月額60万円の報酬は多すぎるというのが自民改革会議側の主張です。
◆自民と知事との対立だけではない
(Q.去年の知事選以降、川勝知事との対立が激化している自民改革会議が知事をけん制した形と言えるのでしょうか)
県政担当・入口鎌伍記者:
今回の修正案の提出は自民改革会議と知事との対立という単純な構図ではありません。元々県庁内の一部には非常勤特別職の在り方に対して疑念の声があり、その中で自民改革会議が法律との整合性を疑問視したという側面があります。
報酬のカットを求めることは事実上の退任要求になりますから、知事の専権事項である職員人事に介入しているという批判も出るおそれもありますが、自民改革会議の野崎正蔵代表は「法に触れる可能性があることや県民の理解が得られないことは見過ごすわけにはいかない」と話しています。
自民改革会議・野崎正蔵代表
今回の特別職に関しては誰が決めて、どの基準で決めているのかハッキリしない。今後はそうしたこともしっかり是正していっていただければと。
◆川勝知事はなぜ「再議」を求めないのか
(Q.修正案の可決を受けて川勝知事の反応は)
川勝知事は会見で、自民改革会議が主張する法令違反には当たらず、2人は専門性を持っていたとの認識を示した上で、次のように述べました。
川勝知事:
適切な助言を行うために協議交渉、あるいは意思決定会議に出席をしてもらったということで適切な助言をもらうために必要であると考えますし、しこうした場での意見は本県機関への助言であったと私は認識しています。
県政担当・入口鎌伍記者:
川勝知事には修正案について再議を求めるという手が残されていましたが再議にかけると他の予算の執行も止まってしまうことや、再び可決される可能性が極めて高いこと、さらに自民改革会議などとの軋轢が決定的となってしまうことを避けるため再議の請求を行わないことを明言し、また3人がいずれも今年度限りで退任することを明らかにしました。川勝知事には今後、誰が見ても恣意的と受け取られないようなクリーンな人事や行政運営を心掛けて欲しいと思います。
からの記事と詳細 ( 静岡・川勝知事の“側近3人”排除の背景になにが? 今後の展開は【記者解説】 - FNNプライムオンライン )
https://ift.tt/wAW0Pge
No comments:
Post a Comment