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Wednesday, April 13, 2022

多すぎてわからん!! いったいなにが違う? ハイブリッドシステム一番いいのはどれだ - ベストカーWeb

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 ハイブリッドにもいろいろと方式はあるが、ハイブリッド車といって一番に思い浮かぶのはトヨタプリウスではないだろうか。フルハイブリッドの元祖であり、システムを進化させ続けている。そしてそれをお買い得な価格で提供したアクアも印象深い。

 一方でe-Powerという名前で大ヒットモデルとなったのが、日産ノートだ。こちらはシリーズハイブリッドという、プリウスとは異なるシステムを採用している。この二つの方式の仕組みと、それぞれの利点と欠点を検証してみたい。

文/片岡英明、写真/TOYOTA、DAIHATSU、ベストカー編集部

【画像ギャラリー】並列と直列? 理科の豆電球の実験を思い出す!? ハイブリッド『2つの方式』の利点と欠点(7枚)

■シリーズとパラレル? ハイブリッドには種類がある

パラレル・ハイブリッドを採用したホンダ CR-Z。エンジンとモーターの両方を駆動力として使う方式

 異なる複数の動力源を使って走らせるのがハイブリッドカーだ。一般的には内燃機関のエンジンにモーターを組み合わせ、燃費を向上させてCO2(二酸化炭素)などの有害物質の排出量を抑えている。トヨタはハイブリッドシステムに関して数多くのノウハウを持ち、早い時期に実用化に成功した。

 最初の作品は、エンジンと電気動力のモーターを直列(シリーズ)につなげた「シリーズ・ハイブリッド」式の小型バス、コースター・ハイブリッドだ。これはエンジンで発電機を回して電力を作り、それをモーターに送って車輪を駆動するハイブリッドシステムである。

 シリーズ・ハイブリッドは、バッテリーEV(電気自動車)を研究していく過程で考えられた。EVは走行中にCO2を出さない。バッテリーに蓄えた電力だけでクルマを走らせられるのは理想的だ。

 が、弱点はバッテリーが重く、航続距離も短いことである。そこで充電する代わりに発電装置として小さめのエンジンを積み、電力が十分にあるときはEV走行を、電力に余裕がないときはエンジンを回して発電しながら走れるようにした。

 いっぽう、エンジンが駆動の役割を果たすとともにモーターも同じように駆動するハイブリッドシステムもある。それが「パラレル・ハイブリッド」式だ。内燃機関と電気動力が並列になっており、駆動を行う。

 ホンダが2代目のフィットやCR-Zなどに採用したIMA方式はその代表と言えるだろう。発電と駆動の両方を行うモーターは、エンジンの駆動をアシストする脇役とした。そのためマイルド・ハイブリッドと呼ばれることも多い。

 出力と効率はそれなりだが、コンパクトに設計できる。また、コストアップも避けられるから海外では採用しているクルマが多い。

 現在のトヨタの主役は、シリーズ式とパラレル式のいいところを組み合わせた「シリーズ・パラレル・ハイブリッド」である。「フルハイブリッド」とも呼ばれ、モーターを2つ搭載するとともにトランスミッションの空いている所にモーターと発電機、遊星ギヤによる動力分割機構を収めている。

 異なる動力を自在に駆動するトヨタ独自のハイブリッドシステムは「THS」と名付けられ、現在は発展型の「THSII」だ。駆動用バッテリーもニッケル水素に加え、リチウムイオンバッテリーも使われるようになってきた。複雑だが、効率のいいシステムだから群を抜く燃費性能を実現している。

■e-POWERで再評価されたシリーズ・ハイブリッド

日産 ノートでお馴染みの『e-POWER』はシリーズ・ハイブリッド方式を採用する。エンジンは発電機を動かすために使用し、発電された電力でモーターを動かし駆動力とする仕組みだ

 シリーズ・ハイブリッドはトヨタのフルハイブリッドシステム(THSII)に押されていたが、日産が先代のノートに「e-POWER」を加えたことによって再びクローズアップされることとなった。

 これはEVのリーフで培ってきたモータードライブの魅力を前面に押し出したハイブリッドカーだ。1.2Lの直列3気筒ガソリンエンジンを使って発電と充電を行い、その電力を利用してモーターを駆動する。既存のパワートレインを使って手軽にEVの力強さと低燃費を可能にしたのだ。

 e-POWERは今では第2世代になり、さらにEV感覚を強めている。また、21年の暮れにはダイハツのロッキーと兄弟車のトヨタ・ライズも、発電専用の1.2L直列3気筒エンジンにモーターを組み合わせたシリーズ・ハイブリッドの「eスマート」を送り込む。

 スペックは日産のe-POWERに及ばないが、動力性能やバッテリー容量を抑えることによってリーズナブルな販売価格を実現した。もちろん、フルハイブリッドのTHSIIよりトランスアクスルなどを軽量コンパクトに設計でき、コスト低減も図れる。

 ちなみにフルハイブリッドの代表であるプリウスのWLTCモード燃費は最高値で32.1km/Lだ。1.5Lの直列3気筒エンジンにモーターのアクアは36.0km/L、クロスオーバーSUVのヤリスクロスは30.8km/Lをマークする。

 ヤリスは、試乗時に郊外の道で40km/Lの大台を記録し、驚かされた。モーター走行の領域を増やした2モーター式のe:HEVを採用するホンダのフィットは29.4km/Lとなっている。ちょっと水をあけられるが、悪くない燃費だろう。

次ページは : ■ハイブリッドに求めるものは何か

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