Anna GorbachevaGetty Images
日記が持つ健康上のメリットを調べる12週間の臨床実験では、一般的な病気の患者70名が週に3回、自分の思考や感情を15分かけて綴った。すると、日記によって精神的な苦痛が減り、生活の質が向上しただけでなく、1ヶ月後には従来の治療を受けたときよりもうつや不安の症状が軽減し、1~2ヶ月後には従来の治療を受けたときよりも回復力が高くなった。
つまり、いまの気持ちを書き出せば、頭のなかを整理して、不安を減らし、日常生活で直面する予想外な状況や困難な状況に対処しやすくなるということ。
これにオシャレな日記帳は必要ない。古いノートと適当なペン、居心地のいい静かな場所を見つけて、頭のなかにあることを紙に移すだけでいい。
そうは言ってもなにから書けばいいのやら? 自分の自信と共感力も養うための“問いかけ”をウェルネス系の作家4名が教えてくれた。
「相手の立場に立ってみるとなにが見える?」
居心地の悪い状況や困難な状況で感情的な反応を見せるのは、人間にとって自然なこと。自分とは異なる意見や、受け入れ難い意見を持っている人と話すときは、ちょっと難しく思えても、反応する前に一度止まって考える癖をつけよう。
相手の目を通して世界を見れば、その人が特定の考えに至る理由や特定の行動を取る理由が見えてくる。私たちの経験や考え方は1人ひとり違うので、物事の善悪を自分の物差しで判断せずに人の話を聴かないと、前向きな関係を築くことはできない。自分が相手を理解するために聴いているのか、ただ返事をするためだけに聴いているのかを考えてみて。
共感力を駆使すれば、あなた自身のメンタルヘルス、幸福感、自信が向上するだけでなく、周囲の人も救われて、友人や家族、同僚との関係が深まる。進化論的に言っても、人間は共感を通して他者とつながることに意味を感じる生きもの。共感力を活性化すると、脳内で“喜びの経路”が点灯する。つまり、共感は常にwin-winの関係を生み出すスキル!
ーミミ・ニックリン/ベストセラー『Softening the Edge』の著者で、ポッドキャスト『MimiYouYou』のホスト兼コーチングサービスEmphathy Everywhereの創業者
「自分に世界一の自信があったら、この状況でどうするだろう?」
自分に自信がないときはまず「自分に世界一の自信があったら、この状況でどうするか」を考えて、想像のなかの自分が取っている行動を現実の世界で少しずつマネてみよう。そうすると、いろいろな可能性が見えてきて、恐怖心に立ち向かい、進むべき方向に一歩ずつ進んでいける。
私たちは自分に自信をつけてから行動に移そうとするけれど、歴史上の偉人はみな行動が先だった。最初は自信がなくたって大丈夫。自信というのは、あとから自然と付いてくるもの。
このような問いかけで想像のなかの自分に自信を持たせてあげれば、それを現実の小さなステップに置き換えて、変化を起こしていけるはず。
ーペトラ・フェルゼブール/著書に『Begin With You』を持つ心理療法士で、メンタルヘルスコンサルティング会社PVLのCEO
「ありがたいと思えることを3つ書き出す」
自分がいま、この瞬間に感謝していることを考えてみて。大きなことでも小さなことでもOK。感謝の念を持つことは自分自身のためになる。感謝をすると、自分に“ないもの”ではなく“あるもの”に意識が向くので自然と気分がよくなるし、それだけあれば十分であることを思い出せる。
ーベッキー・ホール/著書に『The Art of Enough』を持つライフコーチ兼リーダーシップコンサルタント
「5年後の自分はどうなっていたい?」
どんな自分になら自信が持てる? その自分を可視化して、そうなるために必要なアクションを逆算して考えるのは想像以上にパワフルなエクササイズ。まずは自分の見た目(髪型や服から頭の傾き加減まで)を詳しく書いて。周囲の人には、どんな影響を与えてる? あなたといると、人はどんな気持ちになれる? 職場には、どんな変化が起きている? 仕事を終えて帰宅したら、なんでストレスを解消してる? ストレッチやジムなど、飲酒以外のアクティビティを考えてみて。人間関係や人付き合いは、どんな感じ?
このような問いに対する答えを書き出し、それに続く道のりを綿密に記録するのは、モチベーションを高める上で効果的。あなたなら大丈夫!
ーリアンナ・チャンプ/40年以上の経験を持つグリーフ・スペシャリストで、実践ガイド『How to Grieve Like A Champ』の著者
※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: Emma Gritt Translation: Ai Igamoto
からの記事と詳細 ( ウェルネスのプロが伝授:日記を使って自信と共感力を高める方法 - Women’s Health Japan )
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