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Tuesday, September 27, 2022

日中 対話を重ねる以外にない | | 河野洋平 - 毎日新聞

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 日中が国交を正常化してから50年、良い時も悪い時期もあった。けれども1972年の正常化の時は日中双方の人的往来は約1万人だ。それがコロナ禍になる前の2019年には1200万人になった。それほど両国の関係は緊密になっている。にもかかわらず現在の両国関係が厳しいのは、政治の責任だ。

 香港や新疆ウイグル自治区での人権問題は看過できない。だからといって力で中国に言うことを聞かせることは難しい。なにができるかと言えば、やはり対話をする以外にない。今、一番欠けているのが政治的な対話だ。

 習近平国家主席が「中国の夢」と発言したことで、米国をはじめ世界中の国が警戒感を持った。ただ、あれだけの人口を持った多民族国家をまとめていこうとすれば、何か旗印を掲げなければならない。まとめるために旗印をあげただけだと主張する中国人もいる。こうしたことは実際に話し合ってみないとわからない。脅威だと言っているだけではわからない。会って、話をして、「本当はどうなんだ」と言うべきだ。

 たとえば、日中は国交正常化の際の共同声明で「お互いに覇権を求めない」と約束した。その約束は変わっていないはずだ。日本はそうした話をできる立場にある。それをせずに米国と一緒にどこまでも行く、米国のお使いのようなことをやっていれば、対話の雰囲気を自分で壊しているようなものだ。一番大切なのは、日中共同声明や78年の日中平和友好条約をきちんと確認して双方がその約束を守ることだ。

 「自由で開かれたインド太平洋」という構想がある。…

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